迎春 ―あなたと私―
































除夜の鐘が鳴る。
不本意ながら、一つ、年を越した。
いつもながらこの年を越す瞬間というのは胸が高鳴ってしまうのに、ああ、終わりが近づくと思うと何とも言えない気分になるものだ。
特に、時間がもうあまり残っていない私にとっては。
だけど、残った時間をそのうち突破して、二人の時間を毎日重ねていきたいなと、思っていたりもする。
くすくすと笑っていると、隣から私の名前を呼ぶ大好きな人の声がした。