竹谷





〜」
「おわっ!」


突然抱きしめられた体が、危うくバランスを失って転がり落ちそうになる。
慌てて、急接近してきた竹谷の着物を掴んでなんとか、転落からは免れた。


「ちょ、ちょっと!急に抱きつかないでよ」

「竹!人の話聞いてる………やだ、どうしたの」
「んー…」


私の肩口に顔をうずめた竹谷の頭にぼすんと、顔をうずめる。
ああ、いつもと同じ竹谷の匂いが年を越したっていうのに、相変わらず私の肺を満たしていく。
なんて、切なそうな声を出すんだよ、竹谷。
私まで切なくなってくる。
だから、努めて明るい声を出して、竹谷の背中をぽんぽんと叩いた。


「あのさ、そんなに抱きつかなくったって私はいなくならないよ?」
「分かってるよ、そんなこと」
「じゃあ、なんでこんなに放してくれないの?」
「決まってんだろ?」


が大好きだからに決まってるじゃないか。
そんなこと、肩口に顔うずめて普通に言ってくるもんだから、顔に熱が集まって来る。
平然と、私が恥ずかしがって言わないことだって竹谷は当たり前の真実の様に言ってくれる。


「お、今の胸すげードキドキしてる」
「う、うるさい!」


それでも、竹谷のことを引っぺがせない私も、竹谷のことが大好きなのだ。
しばらくそのままお互いに黙っていると、ようやく気が済んだのか竹谷がやっと体を離した。


、おめでとう!また、今年もよろしくな」
「あけまして、おめでとう」
「よし、じゃあ新年一発目のとのちゅうを!」
「わわっ!ちょっと!落ちるから!!」


ちゅう




















あけましておめでとうございます!