滝夜叉丸 「どうした?ああ!言わなくても分かっている!私と二人で過ごせることが嬉しくて笑っているのだな!ああ、私は私の美しさが怖い!」 「はいはい、そうですよ。滝のことが好きで笑ってるの」 「美しい上に、聡明な私!しかし、のことが何でも分かるのはお前のことばかり考えているからだ」 へらりと、しまりのない顔を見せてくる滝に、胸がツキツキと痛む。 逃げ出すことが出来ない「未来」が、本当は怖くてしょうがないのだ。 「」 「ん?」 急に真面目な顔をするから 「私は」 どうしようもなく私は 「いつまでも私だから安心しろ」 「滝」 あなたに堕ちて行きっぱなしだって知ってる? 「また、今年もいっぱい愛してやるからな!」 「……うん!」 丁度、山の端から初日の出が光をこぼしだした。 滝夜叉丸の大胆な告白は時も場所も考えていない癖に、いつだってピッタリのタイミング。 今年最初の光の中、よろしくねと、二人で抱き合った。 私が抱いていた不安なんて、滝の自信満々な光の中に拡散して消えていってしまった。 「滝、だぁいすき!」 終 あけましておめでとうございます! |