酒宴(6年生の場合)
宴もたけなわ、賑やかな声がさざめくように広がっていた。
そう、先生たちにお酒を飲んでいるだなんてばれてしまったらどんな罰を与えられるかわかったものじゃないから、上級生の部屋は密やかにそれでも賑やかに杯を重ねているのだ。
そして、それはおなじみの六年の仲良し6人組も同じであり、仙蔵と文次郎の部屋に各々が隠し持っていたおつまみやら酒やらを持ち寄って飲み交わしていた。
「なははは〜、楽しいなぁ!長次」
「……ん」
小平太が瓶を片手にぐいぐい椀を開ける横で、長次はちびちびと匂いの強い酒で舌を潤していた。
「伊作〜…俺の酒が飲めないってのかぁ?」
「も、もう!留〜しっかりしてよね?」
肩に手をまわし、絡んで来る食満を笑いながら押し返している伊作だったが、その表情は至極楽しそうで、彼自身もうっすらと酔っているのだろう。顔がほんのりと赤い。
「んっ………はぁ、やはりうまいな。ん?文次郎気色悪い目でこちらを見るな」
「見てねーよ」
ぐいっと椀をあおって文次郎が息をついている所に、仙蔵は胸元をはだけさせてわざと文次郎の目に留まるようにちらつかせる。
「ん〜!!!んん!!!!」
「ん?なんだ?」
突如上がったくぐもった声に仙蔵がうるさそうに後ろを振り返ると、それにつられて他の皆も後ろを振り返った。
そう、この部屋には6人以外の人間がもう一人。
猿轡をされて、縛り上げられてるだった。
はぁ、とため息をついた仙蔵が髪をかきあげながらのもとへと行って猿轡を外してやった。
「ぷ、はぁ!や、やだぁ!わ、私も飲むのぉおお!」
「この馬鹿め。何度言わせる。それ以上飲んだらお前の身が持たないだろう?」
「う、あ〜……じゃあ、飲まなくてもいいから!これ外してよぉ!私も、私もみんなとワイワイしたいのぉおお」
すると、今度は小平太が声を上げる。
「え〜、仙蔵いいじゃん!ほどいちゃいなよー。私も、そろそろといちゃいちゃしたい〜!」
「そうだ!そうだ!仙蔵のドS!鬼畜!がかわいそーだぞー!」
「黙れ食満」
小平太に便乗して仙蔵の悪口を言った食満の口を慌てて伊作がふさいだ。
おもむろに長次は立ち上がると、二人の元まで来て、の縄をほどいてしまった。
「やった!長次ありがとうぅ!」
ぎゅうっと長次の首っ玉には抱きつくと、すぐさまに文次郎の所へ駆け寄った。
「ぅお!!?」
「ね〜……もんじろぉ、飲みたいなぁvvvね?お願いお願い!」
「なっ、!お、お前!離れろよ!」
「や〜ん、飲ませてくれるまではなれないぃ!」
の胸は大きいって程でもないが、それでもお互い薄い夜着一枚。
ぐいぐい背中に胸を押しつけられればその二つの柔らかさがリアルに感じられて、文次郎は激しく本能と理性とを戦わせていた。
しかも、が口にしている言葉は、無意識ながらもエロイような気がして……酔ってるせいであまり口も回っていないし……
あ、理性に本能が勝つか!?って瞬間に、食満の横やりが飛んできた。
「おい!〜〜、俺のところこいっ!少し飲ませてやるから!」
「わぁい!!」
文次郎が伸ばした腕は空を切って、はすぐさま食満の所へと飛んでいく。
しかし、が収まったのは伊作の膝の上。
横から滑りこんで、胡坐をかいた伊作の膝の上にうつぶせになって寝ころんでいる。
「あ、あれ?なにちゃん?」
「食満……すごいお酒臭いんだもん」
「なんだよ〜!俺ん所にこいよぉ!」
食満はの腕をぐいっと引っ張るが、酔っているのか力が入らない。
「わっっ!!」
「おー……やわらけぇ」
引っ張るのをやめて、食満はの上にのしかかった。
ぐえっと変な声を出しては伊作の膝の上にいるままつぶれてしまう。
「あ、な……ちゃんも食満もどいてよっ!!」
一番下でつぶされている伊作が慌てる。
別に痛いとか、苦しいというわけではなくて、がそんな場所で暴れるから、彼女の柔らかい体が微妙な加減で伊作の下半身をもどかしく刺激しているのだった。
顔を赤らめて2人を押しのける伊作。
ぶーぶー文句を言うがずるっと畳の上を滑った。
「わっ!?な、なに!?」
「えへへへ〜、私ん所においでー」
ずるずるっと、の足首を掴んで自分の所に引き寄せる小平太。
さすが鉄球を素足でけることができるほどの力の持ち主。なんの苦労もなくを引き寄せてしまった。
「あはははは〜、なんかこれ楽しいぃ!」
「なははは〜、私も超いい眺め!」
けらけらと笑いあうは気づいていない。
小平太が引きずりあげたことで、自分の夜着の裾がべろりとめくり上がってしまったことに。
おかげで、のパンツは丸見え。
みんなの視線を釘付けだ!
「ほう、白か」
「なっ!せ、仙蔵じっくり見てないでちゃんの裾直してあげなきゃ!」
顎をさすりながら、の下半身を視姦している仙蔵をちょっと怒りながら伊作がその裾を直してやる。
「やーん、伊作のエッチィ!」
「な、なんで私が…」
が声をあげたことを契機に皆が伊作エッチと声をそろえて繰り返す。
なんだかんだで、堪らない光景を着物の中に隠されてしまったのが悔しかったのだろう。
顔を赤くして否定する伊作だったが、ちゃっかり裾を直すときに白い太ももをじろじろ見ていたのに他の5人は気づいていたのだ。
「ふぁ、や……んぅ…おいひ」
そんな伊作いじめに夢中になっていると、不意にから艶めかしい声が上がった。
「あ、長次!?」
の方を見ると、小平太にもたれかかったが長次の指を口に含んでいるところだった。
太い長次の指をおいしそうに口に含んで、吸い上げて、赤い舌を出して舐め上げる。
ちゅぱ ちゅぅ
「ななな、何やってんだよ長次!?」
驚いて声をあげたのは文次郎だった。
すると、事もなげに長次はいつも通りの仏頂面での口からちゅぽんと、指を抜く。
「……餌付け」
「は?」
長次は、自分の指を、酒が入っている椀へと浸しての口もとへと運んだ。
すると、再び嬉しそうにその指にが吸いつく。
「うわぁ、〜、私我慢できなくなりそう。えっろ!」
それを至近距離で眺めている小平太の目がだんだんと欲に濡れてきているのは気のせいではないだろう。
いや、それは小平太だけではない。
部屋にいる全員の顔が、赤く染まっている。
ごくりと、なったのは自分の喉だろうか、はたまた隣から聞こえた音だろうか。
が長次の指に吸いつく音ばかりが耳についた。
「……」
「ふぇ、なぁに?せんぞぉ」
「皆でゲームをしないか?」
「げぇむ?」
「ああ、とびっきり楽しいゲームだ」
「面白いの?」
「保証する」
れろりと、長次の指に舌を這わせては微笑んだ。
「じゃあ、やる!」
終
^^^^^
まあ、お待ちなさいって。
大人の時間だよ。
続き
|