*触手モノです。三木ヱ門が酷いことになりますので、お嫌いな方はバックプリーズ ◆ 晩の御飯も食べ終わり食器を片づけたはいいものの、明日の課題もなければ、火器の訓練も火薬委員の点検があるとかで、今日はしてはいけないと直々に土井先生から言いつけられてしまった。 食後の楽しい逢瀬を邪魔されてしまえば、自ずとため息も出てくるし、することもないからいつまでも食堂でだらだらとしていた。 おばちゃんも後片付けを終えて、学園の中にあると言う彼女の部屋に帰ってしまっていた。 「うあぁー…暇だ」 両腕を投げ出して机の上に突っ伏した。 足音が近づいてくる。廊下を走る音は軽い。上級生ではない。 団蔵でも委員会があると言いに来たのだろうか。やることはないけれど、それはそれでめんどくさいな。 三木ヱ門は足をぶらつかせながら足音が近づいてくるのを待った。 すると、予想していた声とは違う声が聞こえてきて、思わず三木ヱ門は自分が笑むのを感じてしまった。 「三木〜?あ、やっぱりここにいた」 「ん?どうした」 さっと身を起して、乱れた前髪を指先で払いながら戸口に現われたの方へと向き直る三木ヱ門。 は、機嫌がいいのかニコニコしながら口を開いた。 「あのさ、今日三木ヱ門暇なんだって?」 「そうだけど」 誰から聞いてきたんだろう。 「そうしたらさ、一緒に夜の散歩にでも行こうよ」 唐突なの申し出を断る理由なんてどこにも見つからなかった。 絡ませた指先が冷たい風すら、跳ね返すのか温かい。 ぴたりと体を寄せ合った二人は、時折笑い声を押し殺しながら歩いていた。 月が出ているおかげで、足元もしっかり見える。 うっそうとした木々が二人の姿を学園の光から隠してくれている所まで歩いてきた時、ようやく足をとめた。 「ほら、ここまでくればさすがにあの潮江先輩だって来ないでしょ?」 「そうだな。潮江先輩の鍛錬する場所は、ここよりもっと東の方だから」 「げ、東って言っても距離的にはこれぐらいまで活動範囲なんだ」 うげげと、舌を見せるに笑い声を上げる三木ヱ門。 「でも、今はいないよ」 ぎゅっと、の体を抱きしめた。 柔らかくって、あったかい。いい匂いがする。髪を洗ったばかりなのだろうか、嗅ぎ慣れているはずなのに、とびきり匂い立つ気がした。 自然と後ろに回ったの手がトンっと背を打った。 「三木」 「キスしてもいい?」 わざと聞いてみれば、月明かりでもわかるくらいに顔を真っ赤にさせたは小さく、それでも確かに頷いて目を閉じた。 可愛くて、苦しくなるくらいだよ。 そっと唇を重ねると触れるだけじゃ我慢できなくなる。 「、いい?」 「……聞かなくたって」 恥らうそう言う顔がいちいち胸の底を引掻いているって知ってるかな? 歯を見せて笑うと、同じように恥ずかしそうに笑った。 考えることはいつも一緒だね。 今度は、深く口付けを何度も重ねる。吐息の間に掠れた声で名を呼ばれるとたまらなくってくる。 しかし、三木ヱ門もも気づいていなかった。 ざわりと、風もないのに森がざわめいた。 「あ」 小さく声を上げたのはだった。 しゅるりと何かが足首を掴んだ。 驚いて、一体何か確かめようとしたが、上に乗っている三木ヱ門が邪魔で反応できなかった。 「わっ!!」 ぐんっと体が引っ張られた。 今度は三木ヱ門が驚いた。 下にいたはずのの体が突如として消えたのだから。 だが、しっかりと見ていた残像のは足元の方へと消えていった。 慌てて体を起こし、振り向くと、片足を掴まれ宙づりになっているの姿が目に飛び込んだ。 「!!」 三木ヱ門のその声を合図とするかのように、森の暗闇の奥から得体のしれない物が、幾本も三木ヱ門目がけて飛び出してきた。 避けようとしても、数が多かった。 四肢を捕えられ、どうにまで何かが絡みつく。 「うあ、これは」 月の光を浴びて、濃緑にぬらめく何本もの蔦だった。 蔦と言っていいのかすらわからない。子どもの腕程の太さの緑の蔦。 「ひっ、あっ……み、きえもんっ!」 自分に絡みついたそれから、の方へと目をやると自分と同じく幾本もの蔦が彼女の体に絡みついていた。 怯えて、微かに震えているは声も殆どあげれずに必死に手足をばたつかせている。 叫ぼうとした瞬間、体に巻きついていた緑のそれの先端が鎌首をもたげながら顔の前までやってきた。 そして、私が口を開いたのと同時に口の中に飛び込んできた。 口いっぱいに広がる青臭い香り。歯をたてようとも、草の匂いが強くなるばかりでどうにもできなかった。 ぐぐぐっと、体がさらに引っ張られ持ち上げられる。幾本もの蔦たちはやすやすと私の体を持ち上げ、運ぶ。 前に見えていたも同じように口の中に緑の太い蔦を咥えさせられ、闇の中に消えていった。 助けなければという焦りで、無我夢中で暴れるが、体にじりじりと蔦が喰い込んでいく一方だった。 を、を助けないと! こちらのもどかしさをあざ笑うかのように、ゆっくりとが消えていった闇の方へと連れていかれた。 闇が徐々に濃くなり、濃紺の木々の影が空との境界をあいまいにしていく。 既に身動きできないほどがっちりと身体中に蔦は喰いこんでいる。 口の中に押し込められた物のせいで、うまく呼吸すらできない。 そして、どれほど進んだころだろう。視界がひらけた。 「ふ、ぐあ」 私の目の前で行われていることに、頭の中が怒りでいっぱいになった。 「あっ、や…う、み、ひぁっ!」 濡れた音や、月の光に照らされたの上半身が目に痛いほど突き刺さった。 ゆらゆらと揺れる先端はぬめりを帯びているのか、裸のの胸を撫でまわしては糸を引きながら離れる。 自由になったの口からは熱い吐息が零れ、嬌声にも似た悲鳴が零れていた。 近づくと、彼女の頬が赤く染められ、私の名前を呼んでいると言うのに視線は虚空を恍惚と見つめている。 。 知らず知らず体の力が抜けていた。いや、見とれていたのかもしれない。 月光の下、怪物に襲われるは美しかった。 髪を振り乱し、緑色の触手に襲われるは、まるで神話の中に迷い込んでしまったおとぎ話のお姫様のようだった。そんな姫の様なが顔を赤らめながら、嫌がりながらもあの触手に汚されていく背徳の喜び。 ぼうっと、触手に翻弄されていくの姿に見とれていた。 「ふぁぅっ!!?」 突然私の体に巻きついていた触手が蠕動し始め、先端が股間を擦りあげた。 びくりと、腰をひねる。 まるで、笑うように触手の先端はぬめりを帯びながら揺れた。 私は、私は、の姿を見て、興奮していた。 服の下で硬くなっているペニスを触手がじらすように何度も捏ねてくる。 「ひっ、あ、あう…ふぁ」 するりと、服が脱げていく。どうし、たら。 口の中に突っ込まれていた触手の先端からごぶりと何かの液体が排出された。 むせることも許されず、喉の奥に注ぎこまれた。 呑んだことを確認したかのように、口の中から触手が出ていった。 「や、め、げほっ…」 私を無視して、何本もの触手が好き勝手に着物の中へと這入りこんでくる。 ぬるぬるしている癖に、ざわざわと動くその感触に嫌悪感を覚えるのだが、体の奥に芽生えたほの暗い焔は感じてはいけない愉悦をそこから拾い上げていた。 続 ちょっと長いから切る。 |