酒宴(4年の場合)
微かに天井裏から音がした。
注意を払って、上着を肩にかける。
もう夜も遅いというのにだれだろう?夜這いかしら?と、は首をひねった。
しばらく天井を見上げていて、そろそろ首が痛くなってきたかもと思い始めた時にようやく天井板がずれて見知った顔が二つものぞいた。
「」
周囲に気を払って声を掛けてきたのは、満面の笑みを浮かべた滝夜叉丸だった。
「、今から私たちの部屋にこい」
「なんでよ。もうこんなに夜も更けて……」
「明日、休みだろう?」
「そうだけど……」
「〜、私たちと一緒に」
渋る私を見て声をあげたのは綾部だった。
綾部はに向かってくいっと手酌の動作を見せた。
「うん、いく」
あまりの即答っぷりに、滝も綾部も笑いをかみ殺していた。
だ、だって、最近……ご無沙汰だったのよ!
いや、飲むのがね!
「さ、先に行ってて!私もすぐ行くから!」
いそいそと、は行燈の灯を消して部屋を後にした。
「あ、ちゃ〜ん、待ってたんだよぉ!」
「おまたせました〜〜」
部屋の中に入ると、もうにこにこ顔のタカ丸に出迎えられた。
手を引かれてタカ丸に「じゃあ、ちゃんは僕のよこ〜」だなんてされても、私の視線はもう目の前の三木エ門に釘付けだった。
「え、み、三木エ門?」
「ぅ……なぁ?〜〜?」
顔を上気させて着物をはだけさせている三木エ門は、こちらの思考回路が止まってしまうほどに色っぽい。
頭をコックリコックリさせながら、三木エ門が手に持っている椀に残っていた雫を舐めた。
「な、なに、三木エ門もう酔っ払っちゃってるの!?」
「そうなんだよ〜、さっきちょっと飲んでただけなんだけどこんな状態になっちゃった」
「そ、そうなんだ」
「ね〜、〜」
「そうだね〜みき〜」
ふにゃっと普段とはまったく違った気の抜けた笑顔を私に向けてくる三木エ門に、少々胸が悲鳴をあげたのは秘密だ。
私は、それを他の三人に気取られないためにも用意されていた椀を持った。
「はいはい〜、お客さーん、いいのみっぷりねぇ〜」
「綾部、私まだ飲んでないから」
「は〜い、たんと召し上がってくださーい」
綾部は持っていた一升瓶を傾けて、なみなみと私の椀にお酒を注いでくれた。
「ふふーん、が好きなやつとっておいたのだ!この、滝夜叉丸がな!!」
「はいはい、ちょっと滝静かにしててねー。うるさいと上級生にばれるから」
「ぐだぐだぐだ、ぐだぐだぐだぐだ……」
ぐだぐだ言いだした滝を無視して私はぐいっとその椀をあおった。
いい香りが広がって、微かな熱を持って胃の腑へと落ちて行った。
「う、お、おいし〜〜v」
「おやまあ、本当いいのみっぷり」
「ふふふ〜、久しぶりだからね」
「わぁい!じゃあ、みんなで楽しも〜!」
タカ丸の嬉しそうな叫びで、私たちの宴会は始まった。
だいぶお酒もみんな回ってきたときに、私はついに我慢できずに懐に手を入れた。
「わ、ちゃんぬぐのぉ〜?だいたーん!!」
「違うわよぉ!ぬがないも〜ん!うふふふふふ……みーきv」
「ふにゃぁ?」
とろんとした目をして、まだ一人でゆらゆらと椀の雫をなめなめしていた三木エ門へと近づく。
「わーい!かわいい〜〜!」
「ん、?……ふぁぁんっ!」
しゅるるっと懐から私が出したのは縄。
もう、三木エ門をぐっるぐるに縛り上げた。
可愛い声を上げて、三木は床へと倒れ込んだ。
「やっ、うぅ、、なにしゅるのぉぅ」
「ろ、ろれつ回ってないっ!」
けらけら笑いながらは倒れた三木エ門のそばに座り込んだ。
しっかり片手にはお酒が入った椀を持っているあたりが、彼女も酔っ払っている証拠であろう。
「わぁん、三木のはだすべすべ〜〜」
の手が三木エ門の着物の裾を割って太ももを撫であげた。
酔っているため、あられもない声を上げて反応してくる三木エ門がぞくぞくとの神経を逆なでして行為を激しくしてしまう。
「めくっちゃえ〜v」
ぺろりと、裾をつかんで、はめくりあげた。
現れた白い三木エ門のお尻にもう、の視線は釘付けで、ぽつりと言葉が口からこぼれた。
「わ、女の子みたい」
やわやわと、は三木エ門の白いおしりに手を這わせた。
「やっ、っ!?……ふぁぅ、あ、」
「なぁに、三木?」
「ん、やぁ、き、きもちひひ………も、もっとぉ」
微かに、三木エ門は両足をすり合わせて、前かがみになっている。
それに気を良くしたは、もう一口椀をあおると、後ろから前へ、
手を伸ばそう、と
「だーめ」
「やぁ!!?」
ぐいっとの体が後ろに引かれた。
全く気を抜いていたはころりとあおむけに倒れてしまった。
そして、を覗き込むようにしていたのは、綾部だった。
「、私とも遊ばないと許さないんだからぁ」
「や、綾部!今からがいいところなのぉ!」
「あ、こら!足も出さないっ!」
ぱしりと軽く綾部がはたいたの足は、ぐうっと伸びて三木エ門の股間を足の指先でさわさわと刺激していた。
「しょうがない、悪い子はおしおきでーす」
「ふぇ?」
突然、綾部は片手に持っていた一升瓶をの上で傾けた。
軽い水音がして、の肌に酒が注がれる。
「や、やだっ!綾部!何すんのよぉ!」
「お仕置きでーす。ほら、滝、の手押さえて」
「ん?ああ」
お酒が回っているのか、普段よりも口数が少ない滝夜叉丸がの腕を押さえた。
もう片方は、言われるまでもなくしっかりとタカ丸が押さえていた。
胸元へと注がれる透明な酒が、いやらしく薄い夜着を肌へと貼りつかせる。
「ふふ、ちゃんやらしー恰好してるよぉ」
「や!な、み、見ないでよ!!」
「」
不意に、の顔に影が落ちた。
くちゅぅ、ちゅる……ごくり……ちゅぱっ
唾液の糸を引いて唇を離したのは滝夜叉丸だった。
にやりと、笑う滝の顔を見ながら、顔を真っ赤にさせたがろれつの回らなくなった舌で喘いだ。
「ふぁ、にゃ…に、のま…しぇた……」
「の大好きな酒だ」
くいっと滝は笑って自分の椀をあおって口に含むと、再びに口付けて、無理やりその酒をの口内へと流しこんでいく。
苦しくて、思わずそれを飲んでしまうのだが、度数が高い酒らしく、喉が焼けつくように熱い。
「ひゃん!!!?」
突然胸元に走った違和感にが悲鳴をあげた。
ふらつく視界で、自分の胸へ目をやるとタカ丸が顔を寄せて吸いついているところだった。
ずずっと、音をたてて肌に張り付いた布ごと吸い上げて、の体を濡らしている酒を飲んでいる。
「んぁ、や、へ、変なっ!!!かん、じっ!」
「えへへ〜、ちゃんかわいいし、おいしv」
「私も飲みまーす」
そう宣言すると、綾部もの鎖骨へと吸いついた。
そのくぼみに溜まっていた酒をちゅうちゅうと吸い取り、の肌へと歯を立てる。
些細な刺激に体を震わせるにさらに追い打ちをかけるように、滝が肌に張り付いた布のせいで、一層やらしく紅く色づいている乳首をつまみあげる。
「、こんなになってるぞ?」
「ひっ、ぅあ!んん!!」
予想外のところから次々と与えられる刺激で、は身悶えながら我を忘れて甲高い声をあげた。
「やぅ!ひゃ、や、やだぁ!!」
「〜」
「あぅ!!!?」
甘い刺激だけだったの体に突然痛みが走った。
痛みは、ふとももからやってくる。
はぐったりと快感に流されそうになるのを堪えて、自分の下半身へと目をやった。
ぴったりと布が張り付いたそこに噛みついていたのは三木エ門だった。
いつの間に縄を抜け出ていたのだろう。
「、ひどいじゃないか、私と一緒に遊んでくれなくて」
「やっん、だ、だって!しょ、しょれふぁ……」
「代わりに、私がいじめてやるよ」
そう言って、再びのやわ肌に歯を立てる三木エ門。
白い内ももに歯を立てて、ぷつりと微かに滲む血を酒と一緒に舐めとられる。
その、何とも言えない感触に加えて、未だ上半身は三人に嬲られてしまい、はもうただただ身悶えて、彼らの愛撫に酔いしれるだけだった。
「はは、、こっちもすごい濡れちゃってる」
ぐちゅりと、音をたてて這わされた三木エ門の指に、他の三人の視線も注がれる。
ごくりと、唾を飲み込む音。
あまりの羞恥心に苛まれて、は涙をこぼした。
と、その時!
スパーン!!!!!
「お、お前らいいことしてんじゃーん?」
にやにやと意地わるい笑みを浮かべてそこに立っていたのは5年の鉢屋三郎だった。
「あんまりうるさいから見に来たんだけどぉ……なぁ?」
と、取られる!!!!
ばっと、四人はを慌てて鉢屋のいやらしい視線から守るように自分たちの後ろに隠した。
「た、例え先輩でも、は渡しませんからねっ!!」
「そ、そーだそーだ!」
「鉢屋先輩、私の邪魔すると埋めるよ?」
「といちゃいちゃしていいのは私たちだけなのだっ!」
今にも噛みついてきそうな様子の4年生に苦笑して、鉢屋は両手をあげた。
「はいはい、こーさんv でも、〜、もっと気持ち良くなりたかったらいつでも私呼んでね〜v」
ひらひらと手を振って、鉢屋は「お勧めは猿轡だぞ〜」と、戸を閉めて出て行ってしまった。
ほっと、息をつく四人。
なんだか、いきなりこんなことになったが、こうして守ってくれようとする四人に胸が高鳴ってしまったのはだけの秘密だ。
「さって、、続きしよっか?」
「ふぁ!!?や、やめっ!!」
まだまだ、酒も夜も残っている。
「やだぁ!僕が最初!」
「な、何言ってるんですタカ丸さん!!この滝夜叉丸がっ!」
「なにぃ!私が最初にと遊び始めたんだぞぉ!?」
「おやまぁ、我慢できないの?じゃあ、私が……」
「やぁあんん!!も、は、早くっ!!」
終
ふふふ、酔っ払い万歳!
|