吐露































くっと、唇に力が入っているのに彼は気づいているのだろうか。
それに気づいてしまって、思わず笑ってしまうと滝夜叉丸は非常に真面目腐った顔をして「何がおかしいんです?」とまたこちらをじっと見つめてくる。
耐えきれず、眼前に迫った彼の頭を撫でてしまった。
すると、それが気に食わなかったのか、ちょっと突き出してた滝の唇は、むっと一文字に結ばれてしまった。
ああ、残念。かわいかったのに。


「先輩…やめてください」
「なんで?」
「私は」


本当はその先の言葉なんて聞きたくないのに、手で耳をふさぐこともできなかった。
だから、代わりに滝の頭をなでながら平然とした表情でその言葉をかわしてやろうと思ったのに。


「私は、もう子供じゃないんです」


一つしか変わらない彼の体は、そろそろ私のことを追い抜かすのだろう。
いやだと思っても、それを止める術を知らない。
そのことがやっぱり苦しくて、いつまでも可愛い後輩でいてほしくて、思わず顔をそむけた。
そむけた先には滝の手が壁にぴったりとついて、少し震えていた。
私の名前を呼ぶ声に、何の迷いもないくせに。
露わになった首筋にふっと、息がかかる。


「あ」


ちゅうっと、滝の唇が私の首筋に吸いついたのを感じてしまった。
ああ、もう、後戻りできないのかな。
ああ、もっと、どうにかできなかったのかな。
ねえ、滝夜叉丸。
顔の横にあった手が、迷いもなく私の顎をとらえた。
傷が何度もふさがって、ごつごつとしてしまっている彼の指。
それは、私の知っている滝の指じゃなかった。
私の知らない、男の人の指。


「先輩」


かちりとはまったように合わさった視線に、心臓が死にそうな程どきりと音をたてた。
そんな目で私を見てたの?
今までずっと?


「好きです」














































ストレス発散のための短文。
ので、名前変換なしです。
初めての年齢差だったりする。