ドエロ注意!
いくじなし
ふと、通りかかった瞬間に私の耳に入ってきたのは微かなうめき声。
大体体育委員以外に近づくことのないこの場所で、誰か生徒が倒れているとは考え難い。
「?」
それに、なにより聞き覚えのある声だった。
の声でなければ、聞き洩らしていたか、気のせいだと思っていたに違いない。
私は、恐る恐る茂みの中へと入っていく。
…っ
やはり、の声だ。
近づくたびに確信を抱いていく。
そして、その確信はまさかという小さな疑心までもを確かにしてしまった。
もう、私の耳にはこの先で何が行われているか、充分なほどに分かる「音」が聞こえていた。
「ん、はぁ……も、も無理ぃ……ひぃあっ!?」
「ん〜?まだまだ逝けるだろぉ?ほーら、こんなにぐちょぐちょなのにまだ締まる」
「やっ、らぁ……」
舌っ足らずな甘いの声、ぐちゅぐちゅと繰り返される淫らな水音と乾いた肌のぶつかる音。
さらに、七松小平太先輩の満足気な声。
私は、ぎゅうっとこぶしを握る。
「ひ、あぁあ!こ、こへいた、せんぱぁい!!」
「だいじょーぶだ!怖くない怖くない」
「はぁ、んんん!い……お、奥までぇ、くっる」
「はは、すごいだろぉ」
「あ、ん……ひぃあ!?」
「ん?ここか?ここ?」
「や!やぁ!!へ、変になっちゃ…う!ひっう!!」
すでに、私に鼻には独特な青臭い臭いまで届いている。
先輩、もう何度かやっているな。
のあえぐ声を聞いて、自分自身も熱が下腹部に集中していくのが分かる。
最後の、視界を邪魔していた木陰から体を出すと、淫らに交わりあっている七松先輩との前だった。
「っっ!!?た、たき!!?」
「お、すごい締まる!もっかいやって」
「っっ!あ、ん…や、やだぁ……見なっ、ああああああああ!!」
「くっ、!」
最後のひと突きと言わんばかりにを貫いた七松先輩の腰がびくりと動いた。
ああ、また中に出して。
本当に、この人は孕むとか考えないのか。
だから、私ばかりがの周期を考えたりしてないといけなくなるんだ。
まったく。
「七松先輩」
「おう、滝夜叉丸!」
「おう、じゃないですよ……また、こんなところで」
「ん〜?だってえろいんだもん〜。あ、滝もやるか?」
「まあ、それは……」
「なら、この後頼んでいいか?私、文次郎たちとこのあと自主トレなんだ」
「はぁ……いいですよ」
はぁはぁと荒い息を繰り返してぐったりしているを、七松先輩から受け取る。
そして、手早く自分自身は身支度を整えると小平太先輩は行ってしまった。
私は、それを見送ってからゆっくりとに口付けた。
もう熟れきった、甘い唇。
疲れているくせに、柔らかく舌をからめて来てくれる。
「ん、はぁ、滝」
「ばか、も疲れている時は断ればいいんだ」
「だって、小平太先輩が」
「うるさい」
もう一度唇を重ねる。
そっと、指の腹で涙がにじんだの目元をぬぐってやった。
口付けていると、の手が遠慮がちに私に伸びてきて、着物にかかる。
外気にさらされる肌は一瞬粟だったが、の触れているところからどんどん熱が広がっていった。
の胸に手を這わせると、もうすでに小平太先輩との行為で敏感になりすぎているせいで胸の先端を押しつぶしただけで小さく喘ぎ声を洩らした。
「ふぁ、た、滝ぃ……ん」
「、感じすぎだ」
「だ、だってぇ」
「好きだ」
私は、に優しくしたいんだ!
「」
だけど、痛々しくの胸元に咲いた赤い花が。
赤い花が。
「、小平太先輩にまたつけられたな」
「あっ」
一つ一つに同じように舌を這わせた後に、ちゅうっと吸いつく。
より鮮やかになる赤い痕。
「しかも、これもだ」
「だ、だって……や、た、滝だって!」
「ん」
歯を立てて、肩口や首筋についた先輩の歯形に自分のを重ねる。
私の口は先輩ほど大きくないから、二重の歯形がの体に広がる。
まるで、波紋のようだった。
「ほら、こっちもだ」
「あ、やぁ」
ずぶりと、二本まとめての膣に指を押しこむと、すでにの愛液や小平太先輩の精液でぐちゃぐちゃになっていたから、たやすく中へ中へと進んでいく。
指が押し入る度に、中から白とも透明ともつかぬ汁があふれてくる。
「は……あ、や、もぉ」
「もう?ふん、は淫乱だな」
「やっ!ち、ちが」
「でも」
自分のペニスをの膣に押し当てると、一気に突き入れた。
甲高い声をあげながら、眉をひそめる。
「そんなでも、私は好きなんだ」
互いに荒い息をしながら、私はに腰をぴったりと押しつける。
「あ、つ」
「くっ、だって、そんなに、動くな」
「ぁあ…ん、ふ……あ、は」
「ん?」
ぴったりと抱き合ってるくせに、の中は熱く蠢いて、私の精を欲しくてたまらないと言っているようだ。
無言のの攻め立てに声を出した私には笑った。
「滝、大好きだよ」
自分から、私の首に腕をまわして、鼻先をすり合わせた。
自然と閉じる私たちの瞼。
こうすると、この世界には私との二人きりしかいないようにしか感じない。
じわりと、お互いから広がっていく快感と、甘い疼痛。
そして、幸福感。
「滝……動いて」
「」
「好きよ」
「」
「だぁい好き」
「っ」
「んっ……はぁ、滝のことだって大好きだから」
壊してやるって思って、激しく腰を動かす。
、私はへの愛おしさとか幸福感とか感じるたびに辛くなるのだ。
「ひぃあっ!た、きぃ……はげ、し」
「、愛してる」
どうしてあんな始まり方をしてしまった?
腰を限界まで突き入れる。
の子宮口まで突き入れて、そこで一番熱い熱を放ってやる。
「あ、や!だ、だめぇえええ!」
「、イケっ」
「ひぅ!!ぁああっ!!!」
一気に引き抜かれるような快感がお互いの体を震わせた。
ぐったりとの上に倒れ込むと、柔らかいの体が私を受け止める。
「た、き……こへ、先輩が」
「……」
「今夜、三人でって……」
「分かった」
「でも」
「?」
「もうちょっと、だけ。こうしてよ?」
「ああ」
繋がりあったまま、幸せと、苦しみと噛みしめる。
どんなきっかけが欲しかったと言っても、やはりやめればよかった。
を先輩と共有するなんて。
私が、バカだったのだ。
だけど、にどちらかを選んでくれとは言い出せない。
バカな私。
だから
「、愛してる」
この腕にそっとを抱きしめる。
終
共有。
切ない。
だけど、勇気はない。
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