縄抜けしよ?
「ちゃ〜ん、縄抜け教えて?」
縁側に座って、忍具の手入れをしている所に、ニコニコほほ笑みながらタカ丸がやってきた。
片手には荒縄が一本。
「縄抜け?」
「そ、縄抜け〜。僕さぁ、今日の授業で教えてもらったんだけど、ちょっと分からなくて」
「あれ?滝とか三木教えてもらわないの?」
だって、やっぱり女の私に教えてもらうより、同性の友達に教わった方が、気兼ねないんじゃないの?
小首をかしげてタカ丸を見ると、申し訳なさそうにタカ丸は頭を掻いた。
「いや、教えてもらったんだけど、やっぱり難しくて。何回も聞いちゃうのも悪いかなぁ〜って」
「あ、そっか……。うん!私でよければいいよ!」
「やった〜!ありがとうちゃん!」
ぱあっと顔をほころばせ、嬉しそうにするタカ丸。
あんまりうまく教える自信はないけど、がんばって教えてあげよう!
タカ丸はいい場所があると言うので、ついて行ったらそこは火薬小屋の裏でした。
「ん?なんでこんなところでやるの?外だし」
「え〜、だってなかは危ないし、しかも、ここあんまり人こないから、練習してても恥ずかしくないんだよ〜」
「へぇ」
ちょっと感心した。
いつもみんなに追いつけるように頑張ってるのは知っていたが、あれ以上に人目のないところで練習してたなんて!
タカ丸偉い!
年上だけど、嬉しくなった私はタカ丸の頭をなでてあげた。
「わぁい、なになに?ちゃんなでなでしたくなっちゃったの?」
「うん、タカ丸偉いなぁって思って」
「えへへ〜、じゃあ、僕もちゃんなでなでしてあげる〜」
お互いの頭をなでなでしてほっこりしてから、さっそく練習を開始した。
まずは、タカ丸の手首を軽く縛る。
「よいしょ、と。これで、いいかな?今軽く縛ってみたんだけど」
「うんうん」
「忍者が縄抜けをする時にはまず、手首を鍛えて太くしておくのが一番なのね」
「へ〜!」
「だけど、これはすごい鍛錬が必要だから、今は無理やり戦法で取る方法でいこう!」
「は〜い!」
こうやって、と言って、力を入れて縄を緩める方法をやってみせる。
それを見て、タカ丸も同じように手首に力を入れて、縄を取る方法を練習してみる。
うんうん、これが他の四年生だと、と考えるとすごくいい生徒だ!
ニコニコしながら、何度も縄抜けのコツをタカ丸に教えていく。
女の私もあまり手首を太くしておくと、術に影響が出るので、いろいろと小細工を考えて縄抜けはしている。
だって、色の術の時に手首がぶっとい女の子に迫られたってちょっと焦っちゃうじゃない?
「へ〜!ちゃんすごい教え方うまいねぇ!」
「え、えへへ〜、そう?」
「うん!だからさ、今度はちゃんがお手本見せて〜?」
「いいよ!私もそこまで得意じゃないけど、見せてあげるね!」
タカ丸がほめてくれるもんだから、上手く縄抜けできるところを見せてあげようと思って張り切ってしまう。
腕をタカ丸に向かって差し出す。
「あ、よく見えるようにこれ、はずしてもらってもいい?」
「あ、いいよ〜」
タカ丸が手首に手をのばしてそこにまかれてる手甲を外す。
「あ、これ」
「そう、こういうところにこの小しころっていう小型ののこぎりを忍ばせたりしておくの」
「へぇ〜」
「そうすると、手首が太くなくても縄抜けができるの」
外されて、直接素肌の手首に縄が巻かれていく。
「はいできたっ!」
「よーし、それじゃあ、よく見ててね!」
「うん!」
ぐっと、手に力を入れる。
これでも、鍛練は毎日続けてるからただの女の子よりも力はある方だ。
「あ、あれ?」
とれない。
「えへへ〜、僕縛るのは得意なんだvみんなにも誉められたことあるんだ〜」
「そ、そう」
やばい。タカ丸の言葉は真実らしく、全然取れる気配がない。
「どうしたの〜?とれない?」
「と、取れる!取れる!もう取れるから!」
焦って、あせるほど、手首に縄は喰い込んでいってしまう。
「えっとね〜、それじゃあ足も縛ってみてもいい?」
「え?」
「ちゃんも縄抜け練習した方がいいでしょ?」
「う、うん。そうだね」
タカ丸はもう一本懐から荒縄を取りだした。
そして、茂みをごそごそ物色すると、一本の長い棒を取り出した。
「じゃーん、これ使ってみるね〜」
「え!?」
そのままタカ丸は有無言わさずに私を座らせると、その長い棒をひざ裏に差し込み、片方縛り上げてしまった。
は?ちょ、な、なに!?
「え、ちょっと、た、タカ丸!?」
もう片方の足をぐいーっと開いて同じようにひざ裏に棒をまわして縛られてしまった。
「や、ちょっと、は、恥ずかしいから!!」
「さあ、どうぞ?」
純粋な顔で、そんな風に言われると、まるで恥ずかしがってる私の方が変みたいで……
しょうがないから、抗議するのをあきらめて手首の縄を解こうと躍起になった。
は、早くとってこんな恥ずかしい恰好から抜け出したい!
がしがしと、乱暴に手首をひねったり、動かして、結び目を緩めようとする。
「っった……」
「あれ?大丈夫?」
荒縄なんて使うから、手首がこすれてうっすら血がにじんできた。
あ、やだ。
痛い。
「っ、ぅっく」
自然と眼尻に涙がにじんできてしまった。
「た、タカ丸ぅ〜」
「なあに?ちゃん?」
こ、こんな足を開かれて恥ずかしい恰好で縛りあげられてるなんて、もう耐えられなかった。
「こ、これとって?」
「え〜、どうしよっかなぁ」
にこにこほほ笑むタカ丸。
近づいてきて、目の前にしゃがみ込む。
するりと、頭巾を取られた。
「ふふふ〜、なんだかちゃんすっごいかわいいv」
「や、やだっ」
「もう、これとって欲しいの?」
「ひぃあっ!」
タカ丸の手がするうりと、内腿を撫で上げながらひざ裏へとたどり着く。
妙な手つきに肌が粟立つ。
「や、やめてよ!そ、そんなところ触らないでよ!」
「そんなところってどこ〜?」
「やっ!?」
そのままひざ裏を棒ごと押されると、ころりといとも簡単にあおむけに倒れてしまった。
その上にのしかかってくるタカ丸。
「やーん、ちゃんかわいいv」
「ば、ばか!」
「ばかでいいもーん」
手首を取り、血がにじんでるそこに舌を這わせた。
ぴりりとした痛みが走る。
「んっ」
「ね、ちゃん」
びくりと、心臓がはねた。
「かわいい」
「かわいくないか、ら」
「このまましちゃおっか?」
「ひぃあっ!」
首筋にねっとりと這うタカ丸の舌の感触に体が跳ねる。
「ほら、感じてるんでしょ?」
「あっ!や、やだっ!!!」
袴の上から、股に指を押しあてられると、ぬるりと、布が滑る感触が伝わる。
「だって、ちゃんのここ、濡れてるもん」
熱いと息とともに送り込まれる言葉。
ぞぞぞっと、お腹の奥から、湧き立つもどかしさ。
タカ丸に言われたとおりの状況になってる自分の体に羞恥心がこみあげてくる。
「や、うぁ」
ゆるゆると、前後に動くタカ丸の指。
もどかしさと、恥ずかしさが全身を支配していく。
「ね、ちゃんが決めて?」
「あっ、やっ!」
「好きにしてあげる」
にゅるにゅるした、もどかしい感触が体を痺れさせていく。
私の視界いっぱいに日の色をしたタカ丸の笑顔がいっぱいに広がった。
終?
本番と分けてみました。
本番はみたいという方いれば書くかなぁ…。
というか、タカ丸とっても天然でおいしいですね^^
続
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