ドロドロに溶けてしまえばいいのに



























「三木ヱ門……」


振り返ると、目の縁を赤くさせたが立っていた。
じっと、こちらをにらんでるつもりなのか眉を寄せているが、どうみても上目遣いで私を見つめているようにしか見えない。


「なんだ
「……」


下唇をきゅっと噛みしめ、肩を揺らして息を整えてから、ようやくは口を開いた。


「……どして」
「ん?」
「どうしてなの」


理由は笑ってしまうほどわかるけれど、それをあえて君に言ってほしいって思ってしまう私は…変?
三木ヱ門は、返事もせずにが次の言葉を紡ぎ出すのを待っていた。


「ど、して……私以外の」
「サチコやユリコのことか?」
「……」


は私の愛する火器たちが本当の女の子だと思いこんでいる。それをあえて訂正するつもりはない。


「そ、その人たちのほうが、す…すき、なの?」



嫉妬に濡れた瞳が私だけをどん欲に映し出している。
のうちに私がどんどんと膨らんで、田村三木ヱ門だけでいっぱいになっている。
ああ、なんてかわいい
だから、言わない。
一歩。
三木ヱ門がに近づいた。


「バカだな、の方が何倍も好きに決まってるじゃないか」
「で、も……その人たちも好きなんでしょ」
「……


そっと、頬に手を添え間近で見つめあう。
睫が頬に影を落として、瞬く。一瞬一瞬にの存在を自分の中に感じれる瞬間。


「なあ、。飴あげる」
「あめ?」
「甘いもの、好きだろ?」
「好きだけど、そうじゃなくて」
「ほら、じゃあ・・・」


こうなってしまうとは、三木ヱ門のペースに飲まれてしまう。
は本当は言いたいことがまだまだあるはずなのに、三木ヱ門は唐突に懐から出した飴の包みを開き、ほほえんだ。
乳白色の粒を唇にくわえて、見せつけるように口の中に含む。
はただただ、頬にふれた三木ヱ門の指先にどぎまぎしながらそれを見ていた。
いつの間にか、もう片方の手は腰に回されていて、ぴったりと体をくっつけられていた。



「ん……み、き」


甘い香りがの鼻をかすめ、そのまま唇を重ねられた。
甘い唾液と、あめ玉を三木ヱ門は舌を使っての口へと移す。
かわいいは嫌がりながらも、結局私の唇からあめ玉を受け取り、舌をおずおずと絡ませてきた。
二人の間を埋めるように甘い香りが満ちていく。


「ふ、んぅ……」
「はぁ……


とろんと、甘い香りにとろけていくの思考をさらに融けさせるように三木ヱ門は甘さの移った唇で次々との顔に唇を落としていく。
啄む柔らかいリップ音に、身を震わせながらは口の中で甘ったるい飴を転がす。
まるで、三木ヱ門を食べてしまっているみたいだし、三木ヱ門は私を食べてしまっているみたいだ。と、は融解していく理性で考えた。


「私だけを見ていればいい


目の前いっぱいに広がる三木ヱ門の柔らかな笑顔以外になにも考えられなくなって、もう一度キスをせがんだ。