愛しかた
たまたま、委員会がグラウンドを行ったり来たりしている時で、転んだりしていて。
驚いた滝や小平太先輩たちが私のことを抱き上げて保健室に走り込んだりして。
大げさな、滝がそれを大げさに吹聴して、三木エ門に自慢したりしたもんだから。
私は三木に呼び出された。
じりっと、焦げるようなまなざし。
気がつくと、息をするのを忘れていて、それで息をしようと思ったのに結局できた呼吸はとんでもなく刹那的に息を吐いて吸っただけだった。
その音を聞いて、三木エ門が笑いを噛み殺した。
「どうした?怖いか?」
そりゃもちろん、目の前に苦無を突きつけられているのに、恐怖を感じないわけない。
だけど、それを認めるのは嫌だから、ぐっと唇を噛みしめて、三木エ門を睨みつけた。
それなのに三木の笑みは深くなるばかり。
つうっと、苦無の切っ先が頬を滑って降りていく。
全く力の入っていない切っ先は皮膚を傷つけることもなく、肌を滑るだけ。
たったそれだけなのに。
息が詰まる。
「」
「っっ!」
ちりっと布の裂ける音。
ごくりと、唾を飲み込んだ。
切れ味のいい苦無が私の着物を裂き始める。
「や……み、三木」
微かに、肌に触れる鉄の冷たさに体が震えた。
「心配するな。この優秀な私が傷をつけると思うか?」
「ひっ!!」
わざと触れるか触れないかのところで切っ先を行ったり来たりされると、その何とも言えないくすぐったさと怖さで体に思わず力が入ってしまう。
「まあ、私の印をに刻んでもいいな」
でもそれはお楽しみにとっておこうと、耳元で囁かれれば、視界には三木エ門の首筋から流れる綺麗な髪で埋められる。
強く香る三木エ門の匂い。
くらくらした。
思わず、後ろの壁に体重を預けて、そのまま座りこんでしまおうかと思ったのに、私の足の間に三木エ門の膝が入り込んできてそれを許してくれない。
「まだ、駄目だ」
たっぷり時間を掛けながら苦無が乳房の間を通って、ようやく腰帯までたどり着いたころには、もう私の鼓膜には自分の荒い息と、どきどきと伸縮を繰り返す心臓の音ばかりだった。
「できた」
カランと苦無を投げ捨てて、三木エ門の両手がぱっくりと割れた切れ目からするりと入ってきた。
思っていたよりも冷たい三木の手は、苦無の切っ先のようだった。
油断なく、するりと私の肌を撫であげて素肌の背中へと回された。
そして、艶めかしく露わになった胸の間に三木エ門が頬ずりしてくる。
「ふふ、柔らかい」
「み、き」
「、私以外にこういうことしたら、本当に許さないからな」
れろりと、そのまま舐め上げられながら喉元まで来ると、ちりっとした痛みが首筋に走った。
紅く、喉元に痕がつく。
「は、私のものだ」
熱っぽい息を吐いた私を目ざとく見つけて、三木エ門は笑う。
「ああ、もう欲しいのか?」
背を這っていた三木エ門の片手がするりと降りていく。
「あっ!や……」
そのままお尻へと滑った三木エ門の手が下着の上から股の間をぎゅうっと押した。
すると、あからさまに自分の耳にも、くちゅぅっと淫らな水音がするのが聞こえてしまった。
「はは、パンツぐっちょぐちょだ」
「やっ!い、いわな……ひぅっ!」
「は淫乱だな〜………そんなが私は好きだよ」
甘ったるい口付けをされると、それでもいいかもしれないと思うのは、きっと私がだいぶ三木にまいってる証拠だ。
「のこと、一番にたっくさん愛してやるからな」
「三木ぃ……」
「、今日はどうやって遊ぼうか」
「あっ」
「さあ、自分でゆって?」
「 」
加虐心たっぷりの三木エ門の笑みが、私の思考回路を壊した。
終
ただ、この場面を書きたかったというw
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