だだだだだいすき!
二人で一緒にいるだけで、こんなに幸せな気分になれるのはとっても「特別」なことだって思えるのも、貴方のおかげ。
だから、嬉しさをこぼしながら笑みを落とす。
それに気づいてくれて、一緒にほほ笑んでくれる貴方。
「どうしたんだよ」
「ん〜、食満と一緒だと幸せだなぁって」
「っっ!!……お、俺もだよ」
急に顔を赤らめて、そっぽを向いてしまうけど、すぐにこちらをもう一度振り返る。
心の準備ができたのか、にっこりと幸せそうな笑みを浮かべてくれる。
「俺も、と一緒だとすごい嬉しいし、幸せだ」
「う〜!食満ぁ!!」
「わ、や、やめろよ!」
そんな食満がかわいく思えて、嬉しくって、思わず食満の首にしがみついて、頬にキスを落とす。
かわいらしいリップ音をたてて、首筋に顔をうずめると、ああ…食満の香りで肺が満たされる。
それはすなわち、幸せがこの胸いっぱいに満たされるのと同意義なのです!
「…ったく〜」
苦笑しながらも、私の胴に回された食満の腕に幸せを拾い上げてしまう。
それに私は知っているの、食満だって本当はこうしてぎゅうってするのが大好きだって。
こんな私たちはマンネリ知らずのよき恋人同士。
「そこ〜、イチャつくの禁止」
「バカタレカップル、他所でやってこい」
「はっ、まあ馬鹿同士ちょうどいいんじゃないか?」
私と食満は同時に振り返り、私たちを呆れて小ばかにしている小平太やら文次郎やら仙蔵を睨んだ。
食満が私を抱きしめる腕により力を入れる。
「うるせ!お前らうらやましーんだろぉ?」
「そうよ!そうよ!うらやましーんでしょ?相手もいないくせに文句言わないでよね!」
「馬鹿にするな、私などは相手に困るどころか、飽きるほどいる。最も、こいつらは困っていると思うがな」
「え〜、私は別にいろいろ手段と方法があるから困ってないぞ〜?」
「……」
「「「……文次郎」」」」
「う、うるせ〜〜!!お前ら忍者の三禁守ってねーじゃねーか!俺は守ってんだよ!!」
「そ、そうだよね」
「くっ!!残念そうな目俺を見るなぁああああああ!!」
涙をちょちょぎらせて走り去っていく文次郎を見送った私たちは、その夜「ギンギーン」と夜泣きする声を聞いたかもしれない。
そんな文次郎を見たせいか、とてもご機嫌な笑顔を浮かべて仙蔵が私たちに言い放った。
「ところで、お前ら」
「ん?なんだよ仙蔵」
「う〜、食満〜v」
もう、私はといえば食満とのどっぷり甘い世界に浸っていた。
本当、好きなんだってば。
だから、あんまり仙蔵の言ってることとか聞いていなかった。
「もうヤッたのか?」
「は?」
「お!私も聞きた〜い!どんな体位でやんの?」
「ば、バカ!!お、お前ら何言ってんだよ!!?」
真っ赤になって慌てている食満とその食満の首にしがみついて幸せそうにしているを見て、仙蔵が一言。
「何だお前ら、まだやってないのか。つまらん」
「ば!つ、つまんねぇとか!わ、わけわかんねぇからなっ!」
「え〜、私ちゃんの乱れる様子を事細かに聞きたいのに」
「小平太!お前それ聞いてどうする気だよ!?」
「……それはもちろん」
「絶対にだめだからな!!!!ゆるさねーからな!!!」
思わず、を2人からかばうように隠した。
は全くこんな状況に気づいていないようで、無邪気に笑っている。
ちょっと、この自分の世界に入ってる感じがかわいくてたまんねーんだよ。
「ん?なんだ?お前らそれともヤッたのか?」
「仙蔵に教えるわけねーだろ!」
「ほほう、それじゃあ、ヤッったんだな?ヤッたんだよな?」
「う、」
「じゃあ、と食満チューしろよ」
「はい!?」
小平太が笑顔で食満に言い放った。
「あ、もちろん私がみたいのは深い方だからな」
「な、なんでしなきゃいけねーんだよ!?意味わかんないからな!」
「そうだな。お前たちの愛の試練だ。早くしろ」
「う、ぐ……」
「なんだ?食満、お前まさか…」
「なんだよ?」
「のこと好きではないのか?」
突然がばっとが食満から離れて真剣な顔をした。
食満はが急にそんな顔をするから驚いて、のことを見つめた。
「え?……食満、私のこと好きじゃないの?」
どうして、そこだけ、聞いてるっ!?
「そうだ!これは愛の試練だ!早く目を閉じて食満の愛を確かめろ!」
「せ、仙蔵!?目を閉じたら愛を確かめられるの!?」
「そうだ」
「分かった!!」
わぁ〜、が目を閉じたぁ。
俺、もうこれチューするしかないんじゃないですか?
というか、小平太と仙蔵がはやし立てる声がムカつく。
なんで、俺、とチューするところこいつらに見せないといけないの?
え?
ヤッてないってちゃんと言わなかったからですか?
そんな、ひどいですよ。
「食満ぁ、は……早く」
「うっ……だー!もう知らん!俺はが好きだ!それだけだからなっ!!」
意味の分からない叫びをあげた食満は、仙蔵と小平太のはやし立てる中本当にに口付けを落とした。
ちゅうっと音をたてて、そのまま顔を軽くひねっての唇を味わう。
はまさか口付けられるとは思っておらず、驚いて少し目をあけたが、食満が口付けてくれるだけでまた幸福感が満ちてきて大人しく目を再び閉じた。
(あ、やべ、……かわいい)
普段は軽い口付けしかしないので、の舌に自分の舌をからめていくと、たどたどしくが舌を差し出してくれるのが新鮮で、思わず小平太と仙蔵が見ているのも忘れて夢中になっての口を犯した。
くちゅ
「ふぁ……」
「ん、」
つぅっと唾液の糸が二人の唇をつないで、離れた。
ぽうっと顔を赤くしたは、くたっと食満にもたれかかった。
食満はそんなを抱きしめて、自分の胸にの顔をうずめさせて隠してしまった。
「あ〜!なんで隠すんだよぉ!せっかくちゃんのエロい顔見れんのに!」
「見せるわけねーだろ!と、ともかくこれでわかっただろ!?」
「あ」
食満はを抱きかかえると一目散に走って行った。
「あいつ、絶対今からヤルな」
「そうだな。せっかくだから他の奴らも誘って、覘くか?」
「お!仙蔵いいこと言うじゃん!」
こんな悪だくみがされているとも知らずに、食満に抱きかかえられたは真っ赤な顔をして食満にしがみついていた。
「食満、今日なんか激しい」
「……いつもと同じだよ」
「別に、ちがくてもいい。……今日の食満もかっこいいよ」
「っっ!!!!」
終
orz
負けはまだ認めない!
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