ごろごろにゃーん
































ふう、と変態を撃退して息をついたのもつかの間、下の方から私を呼ぶ声がした。


「誰〜?」


ひょいと、下を覗き込むとそこには三木エ門が私に手を振っていた。


「おい〜!!こっちだこっち!」


ひらひらと手をふる三木エ門があまりに普通だったので、私はすごく嬉しくなってしまった!
そりゃ、今ここ数時間の流れを考えるとそれはそうでしょ?


「三木〜〜!!怖かったよぉ!」


しゅたっと三木エ門のそばに飛び降りると私はすぐさまに三木にしがみついた。


「な、!ど、どうした!?」


顔を赤くさせてわたわたする三木エ門でよかった…。普通の人万歳!
ごろごろ喉を鳴らして三木エ門にすりすりしてしまう。
私、猫じゃないからね!
困ったように笑顔を浮かべて、三木エ門はしょうがないなぁと、私の頭を撫でてくれる。


「なんだよ…、なんか私の調子が狂うじゃないか」
「だって…すごい怖い思いしてたんだもん〜」


すりすり ごろごろ なでなで
やば、すごい幸せ!


「絶対三木が同じ目にあったら、泣いちゃうくらい怖い思いしたんだよ!?」
「わ、私は泣かない!」
「……潮江先輩がものすごい雄たけび上げて鼻息荒くして追いかけてきたら?」
「それは泣くな」
「でしょ」


その光景を想像してしまったのか、三木エ門はうっすらと青ざめてひきつった笑みを浮かべた。
私は、なんだかそれがおかしくって、ぺろりと三木エ門のほっぺたを舐めた。
ぎゃ!私何やってんの!!?


「ひゃう!!?あ、なっ!?!」


なのに、なんか三木エ門のほっぺたからはいい匂いがしてきて…
な、舐めるのやめれない!!


ざりざりっとした感触で、三木エ門はぶるりと体を震わせた。


「わ、!!ほ、本当だめだ!!」


ぐいっと三木に押しやられて渋々舐めるのをやめた。


「ご、ごめん!なんか三木エ門からいい匂いがして…なんかさっき食べたりした?」
「あ、牛乳」


………
なんか、悲しくなりました。
よし、今度から牛乳いっぱいのもう。
そうしないと、誰かれ構わず舐めちゃいそうな気がする。
それってかなり危ない人じゃん!!


「おーい!、どうした?大丈夫か!?」
「ふぇ…あ、あ!うん!大丈夫大丈夫!」
「本当か?」
「うん!あ、それより私のことを探してたみたいだけどなに?」
「あ、それなんだけどな!」


と、その瞬間私の体に電気が走ったようにびびっと何かが走る!
ぞくぞくっと身体が震えて、体の中心がジンジンする。
ああ、居ても立っても居られない!


「ふぁ、んっ!な!どこ!?」


かぐわしい香りが!


「いよっしゃああああ!!きたぁあああ!」
「な、た、竹谷先輩!!?」


がとろんとした目をして突然「どこ!?」ときょろきょろし始めたと思ったら、少し離れた所の茂みから5年の竹谷先輩の叫び声が上がった。
三木エ門は、驚いてそちらを振り向くのだが、異様に興奮しているは竹谷先輩の叫び声すら聞こえていないようだった。


「伊賀崎〜!俺はやったぞぉおお!」


うちわを片手にガッツポーズをとる竹谷先輩。
じりじりとこちらへ近寄ってくる。


「竹谷先輩!になにしたんですか!?」
「学園内のかわいい動物は俺のもんだ!!」
「はい!?」
「そんな愛らしいでっかい猫ちゃんを生物委員である俺が放っておくとでも思ったか!」
「い、いや!は人間ですよ!?」
「いーや猫だ!ほれ、見ろ!」


だいぶ近くまでやってきた竹谷は片手を広げて、持っていた団扇でそっと扇いだ。
すると、何かの粉末がふわっとに向かって飛ぶ。


「ふああああん!あう……」


ごろんと、その場に寝転んでころころと身悶えるは、扇情的でごくりと三木エ門は思わず生唾を飲み込んだ。


「ほら見ろ!田村!またたびにこんなに反応してるんだぞ!?」
「またたびですか〜?」
「しかもだ!しかも!」
「んぁううう!」


竹谷はおもむろにに近づくと、頭の上の耳の根元を巧みな指さばきでくすぐりだした。
すると、はよほど気持ちいいのか、しゃがみ込んだ竹谷の膝に頭を摺り寄せてうっとりとした表情になっている。


「ほら見ろ!生物のプロフェッショナル俺の指さばきにこんなにメロメロになってるじゃないか!」
「ふぁ、も、もっとしてぇええ!」


ワシワシワシとさらに撫でると、は竹谷の胴に腕をまわして、もっともっととねだり始めた。
なんていうか……三木エ門は思った。


が口淫してるみたいに見える。


「わぁあああああ!そんなのだめだぁああ!!」
「ほーれほれ、〜お前は俺のペットだぞぉ?」
「ち、違いますよ!はペットなんかじゃないですよぉ!」


三木エ門はあわてて、のしっぽをつかむとぐいーっと引っ張る。


「あぅ!ひゃ!?」
!竹谷先輩から離れるんだ!」


ぐいぐいと三木エ門はのしっぽを引っ張るとその刺激と、しっぽを引っ張られる痛みではっとは我に帰った。


「な!痛い!!み、三木なにすんのよ!?」
「馬鹿!!よく自分が何してるか見てみろ!」
「ええ?……た、竹谷先輩!!?」


ようやくは自分が竹谷先輩にしっかりと抱きついていることに気づいた。
慌てて離れて、後ろに尻もちをつく。
そんなをすかさず後ろから抱き締める三木エ門!


「な、三木!?な、なによ!?」
「竹谷先輩…は渡しませんから!!!」
「田村〜、先輩に勝てると思ってんのか?」


爽やかだが、絶対的な笑顔を浮かべる竹谷と、敵対心ばりばりの三木エ門の間で、さっぱり意味が分からないが困惑しているばかりだった。














































生き物のプロフェッショナル現る!
どうなる
猫耳は生物委員のアイドルとしてかわいがられてしまうのか!
はたまた三木エ門のユリコが火を噴くのか!?



…どこへ行くんだこの話^^