ヒーロー登場!?
























「ふ、む」
「ひぃあっ!!」
「やはり、心地いいなぁ」
「そ、そこ違いますから!!」


顔を真っ赤にさせて仙蔵先輩にむなしく抗議する私。
非常に楽しそうな仙蔵先輩は私のしっぽを片手で堪能しながら、もう片方の手では体のラインに手を這わせて、私の体が柔らかいだの、いい感じだのとおっしゃっている!
だー!太っててすいませんねぇ!!


「というか、この縄いい加減といてください!!」
「何を言っている、動物は紐でもつけておかないと逃げてしまうだろう?」
「だぁから!動物じゃないですってば!!」
「……そうだな」
「!? 分かってくれましたか!」
「動物が服を着ていては変だな」


分かってねぇええええ!
最凶な笑顔を浮かべると、見せつけるようにゆっくりと腰帯に手を伸ばしてきて……
む、剥かれる!!?


「待て!!!!!」
「誰だ!!?」


その瞬間、シュタっとかっこいい着地を決めて天井から降りてきた人影があった。
その人影が放った手裏剣が私の足をとらえていた縄を切り裂き、どたっと情けない音を立てて私はようやく畳の上に降りることができた。


「貴様……5年の鉢屋三郎!!!」
「立花先輩、愛らしい動物をいじめるとは、いいご趣味ですねぇ」


雷蔵先輩に変装した三郎先輩が、すごいかっこよく見える!
私を助けてくれるヒーローの参上だ!!
うるうると、三郎先輩に感動している私に向って、先輩はバチッコーン★と、ウィンクを投げてきた。
普通の時にそれやったら気持ち悪いけど、今はかっこいいよ!先輩!
悪の手先から私を助けて!!
すっかり血の気が引いて、痺れてしまっている足をさすりながら私は、未だ仙蔵先輩の後ろにいる状況。


「私の邪魔をするとは…いい度胸だ」
「それはねえ?」
「三郎先輩!!」
「…、私が飼い主では不満と?」
「ひぃっ!!」


ぎろりと、不満を隠さずに睨みつけてくる仙蔵先輩に背筋が凍った。


「後で、たっぷり仕置きをされてほしいようだな」
「そ、そんな!というか、私仙蔵先輩のものじゃないですから!!」
?」


一瞬切なそうな表情を見せる仙蔵先輩。
で、でも…さっきやられていたことを思い返して、身を守るように尻尾を握ってじりっと後ずさりする。
仙蔵先輩が私に気を取られた隙をついて、三郎先輩はあの言葉を口にした。


「おお〜い!!ここにでっかいナメクジとまんじゅう食べ放題につれて行ってくれる立花先輩がいるぞ〜〜!!」
「「わぁあ〜〜い!立花せんぱい〜〜〜い!!」」


遠くから地響きが聞こえてくる。
ぴしりと、固まる立花先輩。


「き、貴様!!よ、よくも!!!」


おー、先輩の声が見事に裏返ってる。
やっぱり一年は組のあの二人がものすごい苦手だという話は本当だったんだ。


「覚えていろ!必ずを調教してやるからな!!!」


とんでもない捨て台詞ともに立花先輩は、あわてて教室から飛び出していった。
しかし、しばらくするとどこかで悲鳴が聞こえた…気がした。


「さあ、!逃げよう!」
「さ、三郎先輩!ありがとうございます!!」


未だ、両足首に縄がついたままの私をひょいと抱き上げると三郎先輩は外に連れ出してくれた。


「え!?こ、この体勢恥ずかしいですよ!!」
「ハッハッハ〜、落ちるからしっかりつかまれよー」
「あ、う、は、はい!」


背は腹に変えられない。
仕方がなく、恥ずかしさを我慢して三郎先輩の首に腕をまわしてしがみつく。
尻尾は先輩の体に沿わせて、耳は視界の邪魔にならないように伏せておいた。
結構な速さで移動して、三郎先輩はぴょんぴょんと塀や木を乗り越えて、高い屋根の上に私を連れて行ってくれた。
さすが、5年生。
滝でもさすがにこんなことできないわ。


「よ、し。ここならもう邪魔も来ないかな?」
「三郎先輩!本当助けてくれてありがとうございます!!」
「いやいや、お礼なんていいよ
「いや、本当助かりました!あのまま仙蔵先輩に鬼畜なドS世界につれていかれるところでした」
「ん?それはそれで楽しそうだと私は思うけどね」
「またまた〜vそれより、もう離してもらっても大丈夫ですよ?」
「え?なんで?」
「だ、だって、この体勢…その、は、恥ずかしいし」
「そんなことないよ」
「先輩だって、迷惑でしょ?」
「何言ってんの!私の将来のお嫁さんをだっこできるのに、迷惑とか思わないよv」
「………」


将来のお嫁さんって、聞こえましたが?


「え?先輩〜、またまた〜冗談を」
「冗談なんて言ってないよ〜、ああ、やっぱりずっと目をつけていただけあって、は本当かわいいなぁ」
「はい!?」
「でも、もうすこーし太ってもいいよv肉付きいい方が、ヤル時気持ちいいし」
「は?十分太ってますけど!?って、そうじゃなくて!」
「あー、我慢してたのにこんなに密着してると、私…」
「はい?あ!!?ひっ…あ、ん!!?や、やだ!」
「我慢できない〜★」


私の体に回されていた三郎先輩の手が、いやらしく私のお尻や体をなでまわし始めた。
驚いて体をそらすと、今度は、胸を三郎先輩の胸板に押しつけるようになってしまって。


「わお、大胆vも我慢できない??」
「きゃ!?せ、先輩!や、やめ!!」


お尻を滑っていた手が柔らかさを確かめるように、やわやわ揉みながら尻尾の付け根へと昇っていく。
そのむずむずする刺激に身悶えながら、三郎先輩に抗議するが全然聞いている様子がない。


「あー、やわらかいなぁ。おっぱいも、おしりも申し分ないぞ」
「き、きも!!というか、離して!!」
「ほーら、と密着してるだけで私もこんなになっちゃった〜」
「ひっ!!」


ぐりっと太ももに硬い感触が押し付けられる。
そのまま、腰を太ももにすりつけてくる三郎先輩。


「私の硬くて、熱くて、おっきいのがの中に入りたい…って」


私は、ちゅっと、頬に口付けてきて、微笑む三郎先輩に向かって、微笑み返した。


「わ、私も、先輩のたくさん欲しいの…だから、一回……手、離してくれる?」
「〜〜〜っ!!!ああ!私のをたくさんあげよう!!!」


手が離れた瞬間、私は渾身の力を発揮して三郎先輩のあごに右フックを決めてやった。
倒れていく三郎先輩の顔は、満面の笑みだった。
いい夢見ろよ。


「あ、危なかった…」


小さく息を吐いて、冷や汗をぬぐう。













お母さん、ヒーローはド変態でした。








































変態は、何をされてもあきらめません。
だから、変態なのです。

これが喜車の術?