あらいいき





















滝の部屋から脱出して、井戸に向かう!
うがいうがい〜!
というか、うがいよりもなんであの二人が私のべろのことなんて知っているのかが問題だよ。
意味わかんな〜い!!!



と言いつつも、二人に見つかるとめんどくさいので、見つからないように井戸にたどり着いた。
なんだか、走ったせいで暑いし、もし人目も服もはばからないなら、頭から水浴びしたいくらいだ!


「あー、冷たくて気持ちいい〜!」


釣瓶を落として汲みあげた水は、澄んでいてとても冷たかった。
うがいをし終わって、一息ついた私はびしりと、近くの茂みを指さした!


「そこでさっきからはあはあ言ってるのは誰だ!!」
「ど、ドジっ子!!!」


すると、木の上から人影が降りてきた。
あれ?茂みだと思ったのに……。
というか、謎の叫び声が聞こえた気がした。
気のせいだと思いたい。


「あ、よ、よう……
「あ、食満留三郎先輩」


出てきたのは6年の食満先輩だった。
え?先輩はあはあ言ってるよ。
イメージダウン…。
なのに、本人は気にせず、はあはあ言いながら近づいてきた。


「な、なんですか?食満先輩、息あらいですよ?」
「あ、暑いからな」
「そうですね…」


絶対違う。


「あー、その、いい天気だな」
「いい天気ですね」


なんというか、食満先輩の視線が痛い。
まさかと思い、ぴくぴくと頭の上の耳を動かしてみた。


「ぅおお!」


そして、しっぽを先輩の前でゆーらゆら。


「ふぉおお!!!」


うは、エキサイトしてる!!
せ、せせ、先輩けまちわるい!!
手がわきわきしてるよぉおおお!


「ね、ね、ネコ耳っ、く・・・・最高だ!!」


とっても素敵な笑顔でぐっと親指を立てられた。
あー、食満先輩。
今ならはっきり言える、黙ってたらとってもかっこいいですねv


「あ、あの、その、触ります?」


あまりにも触りたがっているようなので、早く切り上げるためにも自主的に言ってみた。


「え!?い、いいのか!!?」
「あ、はい。触るだけなら」
「そ、そこまで触って欲しいというなら、しょうがない!!」
「……まあ、いいか。はい、どうぞ」


しっぽを先輩の方にゆらりと差し出して、食満先輩が震える手で私のしっぽを触ろうとした瞬間。


「ちょっと待ったぁああああああああああ!!!!!!!!」


突然、先ほどの茂みの中から潮江先輩が飛び出してきた!
や、やっぱり人いたんだ!!
というか、出てこいよ!
突然の驚きのせいで、耳がへちゃっと伏せて、しっぽが普段の倍くらいに太くなった。
そして、その様子をみて、食満先輩はまた雄たけびを上げている。


「ひゃ、な、なんですか!!?潮江先輩いるならさっさっと出てきてくださいよ!!」
「ハァハァ、があんまりにもかわいくてよ」
「いやいやいや、さっきいるの分かったって言ったじゃないですか!」
「いや、出ていかなかったらがあのまま水浴びするかと思って」


どんびき発言。
ええええええええええええ!
どんだけぇえ〜!
気軽な覗き発言は許されるという規則とかはないからね!
でも、相手は先輩だし…。


「ま、まあ、それはともかく、潮江先輩なにを待つんですか?」
「そうだ!てめ、食満!お前勝手にのしっぽに触ろうとしただろう!!?」
「はぁ!?俺はが触ってほしいって言うから、触ろうとしてたんだよ!」
「触ってほしい!?お前が触りたいんだろ!」
「あぁ!?潮江、てめぇが触りたいんだろ!?」
「ああ!触りてぇさ!!のねこ耳、しっぽのセットは俺が先に目をつけてたんだよ!」
「俺の方が先に決まってんだろ!俺は、伊作から余すことなくの情報を手に入れてんだぞ!?」
「俺だって、仙蔵からいじめのような要求をのんで、の情報手に入れてんだぞ!?」


どちらかといえば、潮江先輩の方が全体的にかわいそうだ。
気持ち悪さはどちらも同じくらいだけど。
と、とりあえずお互いの胸倉を掴みあって、今にも喧嘩を始めてしまいそうな先輩たちをなだめるために、決死の覚悟で私から提案を持ちかけてみる。


「あ、あの、食満先輩も、潮江先輩も聞いて下さい」
「おらぁ!!潮江文次郎覚悟しろぉおお!!」
「あああ!?食満留三郎お前こそ覚悟しろぉおお!?」


くそ。


「留先輩も、もんじ先輩も、の話聞いてほしい……にゃ」


す、すごい嫌だったけど、案の定ぴたりと二人の動きが止まり、はあはあ荒い息で私の方を見てる。
い、いや〜〜!
こわっ!


「あ、あのですね、」
、今俺のこと留って!!」
が俺のこともんじって!!」
「私のしっぽと耳触らせてあげるんで、喧嘩止めてください!」
「「ていうか、にゃ!!って!!!ハァハァハァ」」


突然、完全に二人の動きは止まり、ブッっと鼻血を吹いてあおむけに倒れてしまった!
あまりの展開に私はおびえるばかり。
え、こ、こわっ!!
恐る恐る二人に近づいてみると、ぶつぶつとても破廉恥な妄想を呟きながらあっちの世界に旅立っていた。
なんとなく、不憫に思われたので、するりと鼻血がついてない二人の首筋をしっぽでなでておいてあげた。
私、優しい!


まさか、そのせいでこの二人が仲良く私のことをストーキングし始めるとは思いもしなかったのであった。


さあ!二人はほっておいて、タカ丸と綾部のことを探らないと!
なんで知ってるんだよぉ!
と、とりあえず情報を探すために私はしっぽと耳を揺らしながら走った!























































キャラ崩壊v
けまちわるい人と、もともと気持ち悪い人w