(滝)


「・・・・・」
「・・・・・」


まさか、二人でいてこんなに静かにしていられるだなんて考えられなかった。
いつもはみんなに黙れって言われても黙らないような人なのに。
黙々と、読書を続ける滝の背中が、彼の自信を物語ってる。


「滝は偉いね」


そんな彼に私も見てもらいたくて。
つうっと指を滑らせた。
さらさらの髪が揺れる。
振り返った滝の瞳は

挑戦的で

ごくりと、固唾をのんだ。
ああ、期待してしまう。

「ああ、私に愛されたいのだな?」


熱視線 交われ

















(タカ丸)

がぶっ。

「う」

にこーっとほほ笑むタカ丸が憎い。
さらけ出された肩に彼の歯形がうっすらと残る。
涙が、少しにじむ。

「ね、気持ちいい?」
「痛い」
「気持ちいいんでしょ?だって、おいしいもんv」

私はおいしくないとは言えなかった。
あんまりにも、嬉しそうにタカ丸が笑うから。
うなずいてしまった。

「じゃあ、次はどこ食べさせてくれるの?」

着物にかかる手。
むき出しになる本能。
どっちが獣かわかったもんじゃない。

食らいつくされるその日まで私が彼の犠牲者。

ちゃんのこと、あいしちゃったんだもん」

がぶり



















(文次郎)



ちりっと、肌が焦げる気がした。
喉元を滑って行く汗が気持ち悪い。
その感触にさえ体を震わせてしまう。

「おい」

機嫌の悪そうな声。
疲れがたまってそうな顔。

「なによ、文次郎」
「このバカたれ。集中しろ」
「ひっあっ!」

突然激しくなる律動に今まで緩やかなものでは足りなかった快感が満たされていく。
いやらしい水音さえも私の耳を犯していく。
欲望に濁った文次郎の瞳が私の瞳と交わって体の奥底まで見られてる気になる。

「あっ!も、んじろ!!」

離さないでとばかりに、背に回した手に力を込めた。
言われなくったって、壊れたみたいに私は文次郎のことばかり考えてるのよ。

「もんじろ、もん、じろ!す、きっっ!」

さあ、一緒に熱を放って















(伊作)



ちゅうっと、音をたてて唇を触れあわせる

「伊作・・・・」

お互いに照れくさくなって、思わず笑みがこぼれた。

「こうするたびに、私は君に愛されてるなって思うんだ」
「私だって」

絡み合う指と指。
甘く溶け合う体温が愛おしさをより高めてく。

「わたし、伊作になら…」

彼の両手を取って、そっと自分の胸へと導く。
こわばった彼の手がそこに触れただけで心臓が飛び出しそうになる。

「あ」
「い、さく・・・・好きよ?」

やわらかく、そのまま押し倒される。
視界いっぱいにあなただけ。

不運が訪れる3秒前
それまで愛感じさせて




















皆さん、拍手ありがとうございました!