どっちもいる? 「あ〜!楽しかったぁ!!」 大きな声を上げて、そのまま敷いてある布団の上にバタンと倒れ込んだ。 柔らかい布団が気持ちよくて、疲れた体にその心地よさがしみ込んでくる。 まだ、部屋の中にはハロウィンの残り香が残っているようで、まだまだ体がうずうずとしてくる。 しかし、それに反してやっぱり夜は更けて、皆それぞれの部屋へと戻っていた。 もすでに風呂をすませて、仮装もといてしまっていた。 目を閉じると、さっきまでの楽しい光景を思い出してしまう。 自然とこみあげてくる笑みを抑えきれずに、一人ではにこにことほほ笑んでいた。 ころりと転がって、あおむけになる。 「ん?」 かたんと、天井板が鳴ったと思った瞬間に、この体の上にどさりと重さが降ってきた。 そのまま声を上げるのも忘れて体を上から押さえつけられた。 視界も見えなくなり、一瞬怖いと思うのだが、すぐに体の力を抜いた。 肺いっぱいに広がる匂い。 「……んも〜、三郎〜……なに?」 嗅ぎ慣れた……というのも変な感じだが、確かに知っている三郎の匂い。 三郎は、ぱっとにうずめていた顔を上げてにやっと、上からを見下ろした。 「あ…れ?仮装まだしてるの?」 「ふふふ〜、〜おばけだぞ〜」 「わあ、こわいー」 棒読みで返事をするだったが、顔はもう笑いが我慢できないと、緩んでいた。 三郎も三郎で、そんな風に返してくるに笑いかけ、ちゅうっと頬に口付けを落とした。 「トリックオアトリート?」 「もう、どっちもおなかいっぱい!ね、三郎重いからどいてくれる?」 そう、もうハロウィンは終わったのだ。 夜も更けて、みんなハロウィンはおしまいとばかりに部屋へと引き上げたっていうのに。 「まだまだ、私は物足りなーい」 頬をぶうっと膨らませて、の体から降りる気がない三郎。 しかし、そんな子供じみた一面がかわいらしいと思ってしまうは、もうこのまま三郎に付き合ってあげようとか声を上げる。 「じゃあ、三郎の好きな方でいいよ」 ん〜?っと、唸り声を上げて目を閉じる三郎は、しばらく思案して何かを思いついたらしい。 にやりと口の端を吊り上げた。 「じゃあ、とびきり甘いトリートがいいなぁ」 「え?でも、もう私お菓子全部あげちゃったからないよ?」 最後の最後で、竹谷と久々知とにさんざん「トリックオアトリート!!」と連呼されて持っていたお菓子全部巻き上げられてしまったのだ。 それは、三郎も知っていたはずなのに。 「いいの、トリート持参してきたから」 「あ!」 声を上げる間もなく、三郎が懐からチョコレートソースがたっぷり入ったチューブを取り出すと、ぶちゅうっと音をたてての首筋に垂らしてしまった。 「や、ちょっと!お風呂もう入ったのに!!」 「だって〜、悪戯もしたいし?甘いのも欲しかったんだもん」 「ひっ……ん」 べろりと舐めとられる感覚にぞわりと肌が粟だった。 「んっ、……あま」 べーっと舌をだす三郎に、ばかとが小さく声を上げた。 「な、こっちにも……いい?」 やわやわと布の上から触れられる胸。 「だからさ、三郎…私おふろ入ったんだってば」 わしっと、三郎の頭を掴んだ。偽物の髪の毛の感触は、まるで犬の毛のようにも感じられる。 いや、もしかしたらわざと犬っぽい毛にしたのかもしれない。 なにせ三郎の頭の上には本物さながらの二つの狼の耳があるし、お尻の方にはふさふさのしっぽが生えている。 「…じゃあ、お風呂行く?」 「ん……ん〜……」 どうしようか。 首筋に掛けられたチョコレートもべたべたするから、どうせまたお風呂にはいらないといけないんだろうな。 でも、 「おわっ!」 ぎゅうっと、三郎に抱きついた。 べちゃりと、緩んでいた衿にも、肌蹴た三郎の胸にも私と同じようにチョコソースがつく。 滑る感触が何とも言えない。 「もう少し、こうしてたいかな?」 「〜」 三郎の腕も私のからだに回されて、私たちはお互いをぎゅうぎゅうと抱きしめあった。 「三郎、トリックオアトリート?」 「どっちも欲しい」 鼻先を擦りあわせて、そのまました口付けは予想通りのチョコレート味だった。 ハァハァ!、もう狼的に我慢できない!!! えええ!?ちょ、ちょっと待って、よぉ!! ハッハッハッハ!! うわ、き、気持ち悪いよぉ! 終 甘いイチャコラ三郎を…目指しました。 コメント「トリートで甘いイチャコラ三郎」とか、悪戯されたいなどなどをまとめてみて人気な三郎でした! みなさんコメント本当ありがとうございました!! ふう、最後まで甘くしきれなかったのは、三郎が変態だからですね^^ |