抱きついたまま、啄ばむようにちゅちゅちゅと、唇を吸われると余計に頭がくらくらと回っていく。
しんべヱにもらったすっときんぐをはいた太ももに、留三郎の手が這うたびに、普段とは違った感触が走り抜けぞくぞくと体を痺れさせていく。
体を押されて、とんと、柔らかく尻が硬いものの上に乗った。
カタリと、二人分の体重を受けて音を立てた長持の蓋。手になじんだ感触が、普段、衣服で覆われているはずの場所に触れる。
その感触が、自分が今用具倉庫にいると言うことを実感させるのに、こんな所でと考える前にはもうどうでもよかった。
今は、目の前の自分をまじまじと見つめてくれる鋭い目つきに酔っていたい。


「と、めぇ」
「………」


声もなく、太ももを割られ、下から撫で上げられた手つきに、は身ぶるいしてくうっと顎が天を向く。
白い咽喉を下からねめつけるように見上げたあと、留三郎の視線は殆ど隠すと言う点では意味をなさなくなった上着の裾の下にある薄い布に釘づけになっていた。
微かな光沢を持っているのか、つやつやと光っているかのように見える。
指の腹でつうっと撫でてみると、素肌とはまたちがった感触が自分の中に生まれる。


「ふぁぁん、んん、あの、ね、とめ」
「……ん?」


喉を擦る様にでてくるの声は、抑えることなく次々と零れだしてくる。
そのひと声ひと声が頭の中を蕩かせていく。
こちらを見下ろしてくるの頬は紅く、目がトロンとしている。


「もっと、さわって」


舌ったらずなその声に、静かに答えた留三郎の行動にのつま先にくうっと力が入る。
強張るの下半身を尖らせたベロで、肉食獣の様に舐めあげる。ざりりと、舐める音だけでの息は荒くなっていく。


「は、あ、いぁ」
「……ハッ」


鋭く息を放つと、もうがむしゃらに留三郎は貪りついた。自分の足の間で揺れる留三郎の頭に体の中の熱がもっとドロドロしたものに変わる。
その歯が、微かに濡れたすとっきんぐに噛みつく。
じっとしていられずに、体をよじらせてたはぴくりと動きを止めた。


「あ、やっ」


にたりと、唇が弧を描いたかと思うと留三郎の犬歯が布に食い込んだ。
顔をひねったかと思うと、布の引き裂かれる音がビ――っと聞こえ絞めつけられていた太ももの一部が解放される。


「と、とめっ!」


無言のまま、爪をたてて太ももにうっすらと赤い線を残しながらすとっきんぐの薄い布を引き裂いて行く。
穴があき、白い素肌が顔をのぞかせた。


「……」
「あ、や、そこは……ヒッあ」


怯えるを他所に留三郎は一番の欲しい所を覆っていた布に歯を立てる。
噛みついて、引っ張るとから溢れた体液が湿った音をたて布が裂けた。
歯をたてられ、その場所を噛みつかれることに怯えながらもは、喉を鳴らしてしまう。
無言のまま留三郎は、満足げに自分のしたことをまじまじと眺めた。
の両膝に手を置いて、閉じれないようにすれば、酒だけのせいではなく顔を真赤にさせながらも見られていることに確かに感じてしまっているを堪能することが出来た。
薄い布が裂けて、の肉が紅く潤んでいるのがよくわかった。
自分の下半身も熱く滾っていくのを、たまらなく感じる。


「とめ、とぉめ……も、我慢できないの」


睫毛を震わせて、普段のでは容易く言わせることのできない言葉を口にしていくに、正直舌舐めずりが止まらない。
もう、手を離したって平気なのは明白だった。
カタカタと音を立てる長持に両手をついて、の上に覆いかぶさると、懐に隠していたのか、が丸いチョコレートを口の中に押し込んできた。喉が渇くほどの甘ったるさと、強い酒の味が口の中で混ざる。
笑みをたたえているの唇に自分の唇を押し付けて、流し込んでやると二人の舌の上は同じように甘く蕩けていく。


「んっ、んん〜…おいひぃ、留のも、ちょうだいよ」
「……ばか」


言わなくったて、俺の方がを欲しくてしょうがない。
くらくらするほど、唇を貪りながら下半身を擦り合わせる。
もう服を脱ぐ時間も惜しいくらいにの中に入りたい。
褌を緩めて、脇から出した自身での下半身を擦ると、濡れた互いが擦れ合う気持ちよさの間に不意に、すとっきんぐが間に入り込み、ますます興奮が高まっていく。
腰を押しつけながらの胸を揉めば、布の上からでも胸の中心がツンッと立ちあがっているのが分かる。揉みながら、時折ソコを指で掠めるように刺激すると、の鼻から甘ったるい声が漏れ、気持ちいいんだなと嬉しい気持ちとたまらない気持で苦しいくらいに気持ち良くなってくる。
すると、今度はの両足が俺の腰へと絡んできて、早く入れてと言わんばかりに腰を引かれる。
すとっきんぐってやつで腰を擦られるその感触にも眩暈がするほど興奮する。


「はぁっ、あ、う、とめっ……ひゃあぅ!」


我慢も限界に近い。
の中に射れた途端にたがが外れたように腰を動かしてしまう。
肌を打つ音と、長持の蓋がたてる笑い声の様な音が倉庫の中に響く。
湿った音が互いの体の中で共鳴しているように、脳みそにダイレクトに快感がせり上ってくる。


「は、あ、やっ、も、もっと!奥までちょおだい!」


突きあげて、射し入れて、掻き混ぜて、ぐっちゃぐちゃにしてやりたい。
融けて溶けて熔けて冷えた時に一つになってしまいたい。
甲高い声を上げ、が絞めつけてくる。
一緒に熱を放っても、まだまだ足らない。
足りなさすぎる。


「はぁ、とめ、もっとシタイ。もっと留が欲しいよ」


せっかくこんなにが積極的なんだから、我慢だなんて言葉を忘れて、たっぷり楽しもう。


「俺もだよ……がもっともっと欲しい」
「留」
「お前ともっとしたい」
































福富屋ありがとう