だいじょうぶ

























誰かが通るかもしれないなんて、考えてないのかは。
確かに、誰も通らないかもしれないが、見られたら絶対変な噂たつだろ。


「むっぎいいいいいいいい!!!」


は、怒りを露わにし、吠えていた。
何があったのかは知らないが、怒りに我を忘れたは今度はしゃがみ込み、ぶつぶつとなにやら呪詛めいた言葉をつぶやきだした。
完全にやばいやつだよ。
しかし、生物委員の性なのか、はたまたが好きで好きでたまらないせいなのか、そんな姿すらかわいいと思ってしまう俺。
さて、どうしたもの。
できることなら、にこっちの世界に早く帰ってきてもらって二人でしかできないことをしたいだなんて思ってみたり、この前生まれた子猫の名前をつけたいだなんて思っていたり。
ともかく、俺は行動にでることにした。
幸い、日は空高く上り、影が伸びない。
自分の足下でわだかまっている黒い影法師に笑いかける。
いきますか。
きっと、こいつも同じでの影が好きに違いない。
なるべく足音も消したが、自分の世界に入り込んでいるは俺に気付いていないだろう。
ぎりぎり。
に気付かれない背後ぎりぎりに立つ。
今度が叫び出すその瞬間が狙い目だ。
じっと……待っていると、ふるふると小さく丸くうずくまっていたの体が震えてきた。
もうすぐだ。
動き出す兆しを見つけ、ますます笑みを深めた。
、驚くだろうな。
ばっと、が立ち上がった。
どんぴしゃ!


「うわー…ふゃあああん!!?」
〜〜〜〜!!」
「あ、やぁ、た、竹谷!!?」


立ち上がったの背中を背後から急襲し、を抱きしめるように後ろから思いっきりのおっぱいを鷲掴みにした。
手のひらに感じるの柔らかいおっぱいの感触に思わず顔がゆるむ。
くすぐったいのか気持ちいいのか、体をよじるのが逆効果。
ぴったりとくっついた俺の体にまるでねだる猫のように体をすり寄せてるようにしか感じない。
敏感なところをすり抜けるのお尻に、ざわざわと体の奥底が沸き立っていく。
耳元に唇を寄せて、自分でも驚くほど低い声で囁いてた。


、どうした?」
「んっ……あ、なんでも、なっ」
「嘘つくなよ」


耳に歯をたてると、は小さく声をもらしてあわてて唇を噛みしめた。
そんなかわいい仕草にささくれだっていく腹の底。
微妙な加減で指を動かし続ける。
柔らかくて、いつまでもこうしていたい。


「なんか、やなことあったんだろ?」
「ふ……んん」
が言いたくないなら、なんにも聞かないけど」


暴れていたはずの体はだんだんとくたりと力が抜けてきて、俺の体にもたれかかってくる。
ああ、こりゃこのあと猫のところにいく前に、俺の部屋に行かないとだめかも。
頼りなく、スンとの鼻をすする音が愛らしい。


「誰がなんと言おうとも、俺はの味方だ」
「たけ、やぁ……」
「めっちゃダイスキ」


魔法の言葉。二人の心がその瞬間、カチリと音を立ててはまったのを感じた。


「私も、竹谷だいすき」
……っ」


甘えるような声を出して、首を俺の方にはひねった。
何も言わずに、唇を重ねた。
やわらかいおっぱいを早く生で感じたいと、自然に腰をにすり付けていた。


「あっ、や、でででも!ここ、外だから!やめて!」
、すげ……きもちいい」
「ひゃうっ!!?つ、摘む」

先輩、竹谷先輩?」


不意に、耳になじんだ後輩の声が聞こえてきた。
振り向くと、孫兵がそこに立っていた。懐から頭を出しているジュンコと一緒ってことは、散歩の途中だろうか。


「た、竹谷先輩なにやってるんですか!!!」


孫兵の叫び声が辺りに響いた。
沸騰していた頭がさっと冷え、自分の今おかれている状況を見直す。
背後から、のおっぱいを、もみまくってる。
は、顔を真っ赤にして、目尻には涙。やめてと叫んでいた。
決定的な一言を孫兵が口にした。


「い、いくら恋人同士でも、嫌がる先輩の……・先輩の胸を真っ昼間からもむのはいけないと思います!!!」
「あ、や!こ、これは!!!」
「いやあああああ!竹谷のばかああああ!!!」


俺の腕を振り払って、猛然と走って行ってしまった
孫兵衛も「失礼します!」と、ジュンコの目を隠しながら走り去った。


「な、な、ちょ……〜〜〜!!!!」