シモいです。お嫌いな方注意 ちょっと想像してみただけだ なんとも驚いたことに、放課後いつものように待ち合わせ場所へと走って行ってみると、一人だけほっかむりをした竹谷が久々知、雷蔵、三郎に囲まれていた。 私は、遠目からそんな三人に普段と違って身構えて縮こまっている竹谷を見て、心が疼くのを感じていた。 何かが起こる予感。 それも、とんでもなく楽しいこと。 「竹谷ー!!!何してるのー!?」 「ぅおっ!?!?な、なんでお前来たんだ!こっちくんな!」 「〜〜!!早くこっちこいよ!!」 「やーん!三郎〜!竹谷が私のこといじめるっ。助けてー!今すぐそっちに行くー」 私に気付いた竹谷はとんでもなく慌てだしたし、三郎はことさらいい笑顔で両手を広げている。 つまりは、期待していいってこと。 俄然楽しくなってきてしまった私は、自分の速さも考えずに三郎へと飛び込んでいった。 だけど、三郎は私の突撃にすら近い抱擁を気にすることなく抱きとめ、上からにやにやと笑っていた。 「ちゃん!危ないよ!が怪我しちゃうって言ってるじゃないか」 「雷蔵、そんなに心配しなくっても私怪我なんてしないってば」 「あ?そう言ってて、この前怪我してたじゃないか」 「久々知は黙ってて下さいー」 心の良心雷蔵と悪魔久々知のお小言に耳をふさいで、じりじりと後退して逃げ出そうとしていた竹谷の着物をがっちりと捕まえた。 「さて、竹谷君」 「うっわ!?」 ぐいっと力を込めてこちらに引き寄せる。 間近に迫る竹谷の顔ににっこりと微笑みかけた。 「一体全体、どんな楽しいことが起こったの?」 「……笑えよ」 諦めたように、そう呟いた竹谷は好奇心の塊と化した私から逃げることが出来ないと観念したのか、頭にかぶっていたほっかむりをしゅるりと取った。 「あ」 「……」 そこから現れたのは、ぴくぴくと動く対の耳。 竹谷の頭からしっかり生えている耳。 「か、」 「ん?」 「か、か、か…」 「な、なんだよ……」 「かわいいいいいいいいいいい!!!」 あまりの可愛さに、抱きつかれていた三郎を思いっきり突き放し、竹谷の獣耳をわさわさ触りまくった。 さわり心地は大好きな猫そのもので、ちょっと引っ張ってみても取れなかった。 恥ずかしいのか、耳を撫でられるのが気持ちいのかわからないが、竹谷が頬を染めながらこっちを恨めしそうに睨みつけていた。 「うわ、竹谷……その顔キモイ」 「ひっで!!!!」 既に事情を知っていた他の三人も声をそろえて笑った。 ひとしきり騒ぎだあと、は疲れてしまったのか、机に突っ伏したまま眠っていた。 ひゅんひゅんと、尻尾をふりふり隣で眠ってしまったのほっぺたをむにむにとつつく竹谷。 雷蔵はくすくすと笑いながら、底が見えてきた湯呑にまた新たなお茶を注いでいく。 「でもさー、本当ちゃん竹谷のそれ、お気に入りだったね」 「う―…言うな雷蔵」 「あ!おい、久々知何やってるんだよ起きるだろ?」 「あ?三郎だってやってるじゃないかー」 「私はいいんだよ」 なんだかんだで寝ているをおもちゃにしつつある四人は笑い声を殺しながらひそひそと話を続ける。 「あー……あのさぁ」 「ん?どうした竹谷」 「…いや、別にいいや」 指先に感じるの柔らかさを楽しんでいる竹谷の頬は緩みっぱなしだが、急に何かを思いついたのか眉根を寄せて、唇をへの字に曲げた。 歯切れの悪い竹谷を三郎が呆れたように小突いた。 「そんな風に言われると気になるだろ。さっさと言えよ」 「あー、うー…、起きないよな?」 「たぶん、こうなったらちゃんそうそう起きないんじゃない?」 「−、豆腐食うかー」 「んー……ふふ…豆腐ぅ」 の唇に指を差し出して久々知はにちょっかいを出す。しかし、熟睡しているのかよくわからない寝言を言うばかりで起きる気配はない。 それを確かめてから、ようやく竹谷はバツが悪そうに喋りだした。 「あ、あのよ……」 「うんうん」 期待に満ちた視線が自然と竹谷へと集まった。 のほっぺたをつついているのは、気を紛らわせるためか。 「猫ってさ、」 「ネコ?」 「猫の……な」 「うん」 じれったいほどに歯切れが悪い。 早く言えよという無言の圧力に負けて、遂に竹谷は口にした。 「猫のちんこってさ、棘がついてんだよ……」 「「「ブッ!!!」」」 思わずふいた。 一体竹谷何を言い出した。 生物委員だから、動物の生態に詳しいのはいいが、自分の状態を考えてから発言してほしい。 「雌と交尾するときにさ、その棘が引っ掛かって排卵を促すんだよ」 完全に空気を読まずに、話を続けている竹谷。 幸せそうに眠る。 「……それで、お前何言いたいの?自分のちんこに棘はえてるって?」 「い、いや!違うけどよ!……なんていうかさ」 「早く言えよー」 むに。 「とげとげのちんこにやられて、悶えてるって……えろくないか」 ―はぁっ、やぁらぁ、と、とげとげ痛いのぉ!やだぁ!ひゃぁあああん!! ―ふぁっ……もっと、とげとげのおちんちんちょうだい… ごくりと、生唾を飲み込む音が同時になった。 「ぅん……とげとげ……」 「「「「!!?」」」」 ふにゃっと笑顔を浮かべながらが寝言を言う。 一瞬自分が思い描いた妄想の中のと、言葉がだぶり心臓が跳ね上がった。 「三郎?」 「しぃー…雷蔵、起きちゃうだろ?」 悪戯を思いついたのか、にやっと笑みを浮かべて雷蔵へと片目をつぶる三郎を誰も止めはしなかった。 「……もっと欲しいのぉ、とげとげのおちんちんもっとちょうだい」 「うー…ん、ちょうだい……」 「とげとげの?」 「…ふぁ……おちんちんー…」 まさか、本当にの口からそんな言葉が出るとは思いもしなかった四人は思わず、口元を押さえた。 「三郎……お前天才」 「私も自分の才能のきらめきが怖い」 「ちょ、私もやっていい?」 「じゃ、じゃあ……つ、次私も」 「お、雷蔵も好きだねー!」 「というか、竹谷……まさかもしそういう状況になったら一人で楽しもうだなんて……」 「な、なんでお前らに見せなきゃいけねーんだよ!」 「「「薄情者」」」 は、よもやそんな会話が頭上で繰り広げられているとは夢にも思わず、幸せそうに眠っていた。 終 なんていうか、おつむが弱くてごめんなさい。 竹谷は実際に射れてみればいいと思う。 |