飽くことのない渇望


























ちょうちょー ちょうちょー なのはにとまれー
  なのはに あいたらー……






































暖かくていい気持ち。

一度飼いはじめたらちゃあんと責任もって、最後まで飼わないとね。

俺、動物とか虫とか好きだし。

生物委員だし。

世話するのも好きなんだ。

だって、愛情が湧いてくるし、向こうだって言葉が通じなくても俺のことを好いてくれているって伝わってくる。

とりわけ、好きだったらそれはより一層増す一方で。

過剰に世話しても、その分向こうも喜んでいるって分かる気がする。





















部屋の中をヒラヒラと飛ぶ白い影。

上がったり下がったり。

出口を求めて飛んでいるのか、はたまた俺のことを探して飛んでいるのか。

愛らしいその姿に我慢できなくなって、白い影を捕まえた。

ぐうっと握り込むと、力なくぐったりとした感触が返ってきた。





不思議な瞳をしたが俺のことを見つめてくる。
分かってる。
かわいいなぁ。
もっとたくさん愛してほしいんだな?


、きれいだ」


ゆるやかにこぼれていく涙に舌を這わせてすくい取る。
もう、この世の全ての厄災から俺がを守ってやっているんだという使命感すら、その瞬間この胸に湧きたつんだ。
四角い部屋の中、四角い布団の上でを抱きしめる。
幾度も繰り返した行為なのに、それでもこの身に余るほどの愛おしさを感じてしまう。


「あ、た、た、たけ、たけや」



お互いの名前を呼び合って、それで、隙間などなくなってしまったかのようにじわっと互いの温度が混じり合う。
ああ、まじりあう。


、ここにいれば安全だからな。ここにいれば、お前は傷つかないからな」



































『俺、が好きなんだ』
『……そか』
『あ〜、なんて言ったらいいんだろうなぁ…この世はまるで薔薇色って感じ!?』
さ、』
『うん』
『俺のこと、好きだって言ってたらしいんだ』
『へぇ』
『だから!……俺に告白する』
『ふうん』
























がちゃん




























伝えた言葉はほんのわずか。
泣きながらすがりついてきた
ああ、やっぱりこいつは俺が守ってやらないと。
そう思うと、すぐに行動に起こした。
手を引いて、手を引いて、手を引いて、
大事に籠の中に入れた。
大丈夫。
俺、生物委員だから


愛しかたとか、扱い方とか、心得てるから。


ここなら、お前のこと、傷つけるやつは誰もいないから。























いつだったか、二人で肩を並べてたくさん飛んでいるちょうちょを見に行ったことがあったな。
あの時も、とっても幸せだった。
でも、今の方がもっと幸せだろう?
なぁ、


「な……、愛してる」
「た、たけや」
「ずうっと俺が面倒みてやるから」


ぐずる子供をあやすように、の白い手が竹谷の背を撫ぜた。























ちょうちょー ちょうちょー なのはにとまれー
  なのはに あいたらー さくらにとまれー……












































くるりくるりと
狂気じみてる