ひどい人
部屋の隅で、膝を抱えて必死に耐えている君の姿に欲情する。
ひどいことされてるって気づいているのに私から離れない君。
なんて、愛おしいんだ。
私が狂ってる?
いいや、そんなことはない。
私はとてもとても正常だ。
ただ、ちょっと人と違うだけ。
雷蔵の顔をぺたりと貼り付けて、極上の笑顔を浮かべてあげよう。
どうして、そんなにおびえた顔をしているの?
「、大好きだよ」
いつの間にか君さえも壊してしまいそうで。
乾いた音が一つ。
畳に伏せる。
じわっと刹那に浮かぶ恐怖の色と涙。
そんな目で私を見ないでくれ。
ぞくぞくしてしまうじゃないか。
ひどいことをもっとしてやりたくなるじゃないか。
「」
無理やり唇を重ねて、死んでしまうんじゃないかってくらい掻き抱いて、君のすべてを奪い去りたい。
「さぶ、ろぉ」
執着心を隠すかのようにあっさりと手を放してやれば、傷ついたような顔をしてへたりと座り込んでしまう。
ああ、かわいいよ。
、今日は何をして遊ぼうか?
また、素肌の上を噛みついて噛み跡だらけにしてやろうか。
それとも、じっくりと焦らして焦らして、涙でその顔をぐちゃぐちゃにしてやろうか。
はたまた、君を縛り上げて丹念に眺めまわしてやろうか。
ああ、別の顔で犯してあげようか。
ねえ、どうしてほしいの?
、君から言ってよ。
私に、おねだりしてみてよ。
君がもしも望むなら、どろどろになるまで甘やかしてやってもいいんだぜ?
ねえ、言ってよ。
「なに?」
「っあ……う」
「ほら、どうしてほしいの?」
「ふ・・・・・」
そんなに息を荒くして、どうしてほしいの?
さあ、言ってよ。
君を壊してしまう前に。
「い、いっぱい……」
「どうしてほしいの?」
「あっ・・・・いっぱい…」
「ほら」
「あ、あ、あい・・・・して」
そんなかわいいこと言われると、我慢できなくなるじゃないか。
ああ、私の愛おしい。
私を愛してくれ。
「らい、ぞ」
お願いだから、私を愛して。
でなければ、君を壊してしまうから。
終
一方通行じゃない。
愛されてるって気づけない三郎が好き。
嫉妬に狂ってる彼に狂ってる彼女がいい。
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