微エロ注意? 「知恵の輪」の続き。 ゆらりと、揺れた瞳にどうして気付かなかったんだろう。 ほどけないこの輪。 「」 震える唇から紡ぎ出された言葉に、は微笑んだ。 ここにいると。 自分は、三木ヱ門が好きだ、と、ふわりと、意識が遠のく。 酸素が足りずに回る視界の中、一瞬姿を結んだ三木ヱ門の顔は、笑っていた。 「うそつき」 首を絞められていると、気付いたのはその瞬間だった。 それでも、零れる涙にも気付かづに三木ヱ門の顔を見つめていた。 泣いているのか、笑っているのか、分からない。 ずきりと、胸が痛い。 「が嘘をつくなら、いいよ。私だって、考えがあるんだ」 笑みを深めた三木ヱ門が手を離しても、酸素を求めることに夢中で動くことなんてできなかった。 三木ヱ門の手の間で、びしりと音を立てた縄跳。 ぐるりと、手首を括りあげられ痛いぐらいに縄が食い込む。 手の戒めだけでも抵抗しないを、満足げに三木ヱ門は見降ろした。 「好きなんだろ?こういうの」 「あ」 「滝夜叉丸としてたのか」 まるで、汚いものにでも言うように吐き捨てた。 三木ヱ門の平手が、一瞬にして空を裂き、乾いた音を立てる。 紅くなる頬は、考えていたものとは違うが、それでも、紅は、紅だ。 「の好きなことしてやるよ」 手荒にの着物を剥ぎ取る。布の裂ける音すら、気にならないほど、の意識は呆然としていた。 三木ヱ門は、ここにいる。 しかし、それはの知っている三木ヱ門ではない。 誰だ。 これは、誰だ。 誰なんだ。 笑っている姿、怒ってる、泣いている、三木ヱ門。 「み、き」 「は、感じてるのか?」 柔らかく胸を揉み、ツンと立ち上がった先を指で抓みあげる。痛みに顔をしかめるの目に涙が零れていることにすら三木ヱ門は気付かない。 見えているのに、見えてない。 「は、はは……かわいいよ」 苦々しく、笑う三木ヱ門。 ぎしりと、縄が悲鳴を上げた。 「濡らしてんだろ?こんなことされてさ。どうだ?滝夜叉丸としている時はどうしてるんだよ」 「して、ない」 掠れる声すら、三木ヱ門に届いているか疑わしい。 どこかから入りこんだ光が、三木ヱ門の頬にきらめく輪を描いた。 「してやるよ」 既に、褌の中で硬くなっている雄を取り出すために、押し当てていた腰を引いて、袴を下ろす三木ヱ門を、呆然と見ている。 こんなことを望んでいなかった。 それとも、望んでいた? 「はっ、ぐぁ、っっ」 喉が締め付けられる。そこには、三木ヱ門の腕なんてないのに。 欠乏していく。 「あ、はぁ、どうした?嬉しいんだろ、キモチイイんだろ?」 「あ、あ、あ」 古びたマットがギシギシと不吉な音を立てつづける。 痛み以外になにを生み出そうとしているのか、三木ヱ門はに何度も何度も腰を打ちつけて、あるのかわかりもしないぬめりの中へと欲望を突き立てた。 の手首は赤々と縄の後が刻まれていく。滲んでくる血の痛みよりも、はたはたと降りそそぐ三木ヱ門の涙が痛かった。 「みき、え、も」 「好きなんだよ、」 「あっ、んんんん!!」 「どうしてなんだよ。どうして私じゃ駄目なんだよ」 「はぁ、いっ!あ、」 何か言ってあげたいのに、口から洩れていくのは嗚咽にも似た声ばかり。 「私のものにどうしてならない!!!!!」 静かな、叫びだった。 独りよがりに、腰を振り続け、ただの自慰と変わらない行為。それでも、は伸ばせない腕の代わりに、抵抗もせずに三木ヱ門を受け入れた。 「み、き!」 「愛してよ……」 絞り出した三木ヱ門の声に、はどうすることもできずに、目を閉じた。 もういっそのこと、その縄で強かに打ち据えるか、がんじがらめに縛り上げてほしい。 逃げないから。 「ねえ、」 だから、泣かないでよ。 終? 1 ああ、こんがらってしまった |